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野党の支持母体「一般社団法人Colabo」の分析(1) 年商1億8000万円の集金力に、公称サポーター数1647名 仁藤夢乃(32歳)という権力者

2022年8月24日19時53分

野党の支持母体「一般社団法人Colabo」の分析(1) 年商1億8000万円の集金力に、公称サポーター数1647名 仁藤夢乃(32歳)という権力者

colabo kessan

(一般社団法人Colabo(以下、コラボ)の2020年分決算公告資料より。)

安倍晋三氏を山上徹也氏が射殺した事件を契機に、政党と支持団体の関係に注目が集まっている。自民党と統一教会の関係の例に限らず、支持団体が選挙運動や資金面を通じて、政党に強固な影響を与える点は野党においても同様だ。まずは野党支持団体として近年頭角を表している一般社団法人Colabo(以下、コラボ)の会計資料を、政党や政治団体の政治資金収支報告書と比較する。その後にこの夏、立憲内部で起きた参議院候補者ツイート削除騒動の示唆するところを探ってみたい。なおこの記事はシリーズで加筆されていきます(第2回・「社団法人というストーリー」・・・法人格の分析はこちら)。




(編集部作成。あえて一般社団法人のコラボを、法律上は別扱いの政治団体と比較した。数字はいずれも2020年分のものに揃えてある(これは、コラボの決算公告はすでに2021年分も出ているのだが、政治団体の2021年分は未公表のためである))

まず決算ベースの予算額ではれいわ新撰組の3分の1、個人ベースだと首相である岸田文雄氏の政治資金管理団体「新時代政策研究会」と互角かややそれを凌ぐ規模になる。またより規模の大きいところで言うと最強の圧力団体の一つと言われる日本医師会の政治部門「日本医師連盟」の2割弱ほどの資金を得ているものの、野党第一党の立憲民主党と比較すると50分の1で自民党本部から見ると130分の1ほどだ。


ところで現時点での国会議員数は自由民主党が381名、立憲民主党が135名、(と参議院の議員数ウィキペディアリンク参照)れいわ新撰組が8名である。はてここで、独自の国政候補を持たないコラボの収入は多いだろうか少ないだろうか。政党と一般社団法人で単純比較はできない(議員の歳費などは政党の収入にならないなどの事情がある)がここであげた3つの国政政党の相場から概算はできる。国会議員数を年間収入で割るという概算をすればおおむね年間収入が5000万円から7000万円ある団体ならば、一人は議員を国会に送り込んでいるくらいが相場観だ。


2021 kaikei colabo

(2021年分の活動報告書リンクより。租税の支払額は事業費から247万強、管理費から6万9200円と法人税、住民税及び事業税の7万円で併せて261万円と少しが計上されている。1億7625万円の収入(企業で言えば売上)があり、繰り越せる予算の増加分(簡単にいうとこの年の黒字)は6600万ほどである。つまり一般の会社でいう粗利益率は35パーセントほどの優良経営だ。なお売上と利益の割に租税が少ないのも目を引く。)




(サポーター会員(政党でいえば党員にあたる)は1647人になり10パーセントほど増加の傾向という。もっとも政党の「党員」は党によって位置付けが違うので一概に比べられるものではないが、自民党の党員は110万人程度、立憲は要件を絞っているため762人のみ、共産党で30000人という。ただ党によっては、幽霊党員もいたりするのでアクティブな数は、より少ないと言われる。単純な頭数で比較すると国政政党ほどではないが、共産党の5パーセント以上と見れば、例えば共産党にとってはその意向が無視できない支持団体である)


このコラボの年間収入額は1億8000万円は2〜3人の国会議員を理屈の上では国会に送り込む事ができる予算規模だ。選挙制度の上で死票も出ることなどから、あくまで乱暴な比較であることを承知で比べたい。特に日本医師連盟の2割という数字は巨大だ(もっとも医師や病院理事長は個人名で政治団体に寄付することも多かったり、共産党など他の政党系の医師団体も存在するので医師政治連盟の集金力は、医師全体の政治に投下できる資金力を反映するものではないが)。医師が全国で32万7000人いるのに対して、コラボがほぼ仁藤夢乃氏の一枚看板で個人商店のような形態であることからすると、なおさらだ。




(コラボの「ツボミカフェ」という関連アカウントプロフィール画像より)

なおコラボはSNSやウェブサイト上で、「映え」る画像を多くアップしているが、最近はピンクのある程度大きなバス画像をアップすることが多い。月に2回ほどテントなども設営して4時間ほどの催しを行うという。政党関係者であれば、大きな街宣カー(業界用語で「センシャ」ともいうようだ)を運用できる支持団体というのには目を見張るだろう。統一教会が勧誘活動のノウハウを占拠で活かせたのとちょうど同様に、街宣カーの運用ノウハウが確立しているというのは支持団体として魅力的だ。例えば駐停車の際の近隣店舗との折衝に始まり付近でのテント貼りそのほかの設営作業は街宣カーを日常的に使用しないとなかなか習得できない技術である。コラボはそれを分かった上で、支援対象者や寄付者だけでなく、政界関係者からの見栄えも意識してSNSを運用していると思われる。


コラボは2013年に法人格を取ったばかりの新興団体にもかかわらず、集金力の確立が速かった。比較対象の一つに入れたれいわ新撰組も2019年の立ち上げで新しくはあるものの、代表の看板議員である山本太郎氏は芸能デビュー時からの活動歴は通算すると30年を超える。そのれいわと比べてもコラボは3分の1強を集金できるに至っている。個人からの収入ベースで見るとコラボは1億700万円だ。これは立憲民主党本体以上で、自民党の8パーセント程度である。政界の中では個人寄附が際立って多いと言われる「れいわ」の4割近くを立ち上げ10年ほどで稼いでいるのは、相当なものだ。


実はコラボの財務基盤に興味を抱いたきっかけは、立憲民主支持者からの不満だった。参議院選挙で、いわゆるAV新法などについて疑念を呈した意見を述べた立憲の参院選候補が、そのことで党内では激しい批判を浴びたという。まるで統一教会と自民の関係ーーーそれどころか、誕生10年前後の新興団体コラボがそこまで強い影響力を野党第一党に対して有している、という点で興味を持たざるを得なかった。


rikken kokuhatsu

(立憲支持者提供のくりした善行元東京都議のツイート。党内で批判を浴びて「身内」である立憲内部やシンパから叩かれて炎上した上、雰囲気に負けて、このツイートは削除に追い込まれたという。)


立憲支持者によると、党内では、仁藤夢乃氏やコラボに近い人々は発言力がとても強い(コラボとそのシンパの意に反する意見は党内で口に出しにくくなっていて、そのような部分を含む党の体質にはややがっかりしたとも聞く)。ここで、なぜ仁藤氏がそこまで影響力を持つに至ったか。これを考えるに、ちょうど自民と統一教会のアナロジーになるが、熱心に選挙運動を行なってくれる(あるいは日々の街頭での政治活動や集会などの手伝いをしてくれる)構成員を含む支持団体であることは大きいだろう。統一と違って大手メディア露出がこの10年で多くあり、概して好意的な論調で仁藤代表が取り上げられているのもプラス材料だ。加えて10代20代の若い女性を支援していた団体であれば選挙応援でもぜひ来てほしいだろう。往々にして年配者の目立ちやすい選挙ボランティアの中で若手スタッフは大きな魅力だ。となれば政党としてはぜひ支援を願いたい存在あり、野党内で仁藤夢乃氏への「忖度」が働き始める理由は十分にあった。実際、立憲民主の国会議員にはコラボの役員出身者も存在する。例えば2019年の参議院選挙で当選した打越さくら氏はかつてコラボの監事を務めていた(現在は退任)。


ここで最後に一つ、仁藤氏周辺がコラボの決算をツイートした元都議を攻撃したか考えると、そのものずばり「金」の話をしたからではないか。実はかつて2015年に当サイトで記事にしたが、一般社団法人コラボはコンプライアンス面がずさんであり、法と定款に従った方式での決算公告をしていない(過料刑の対象)など透明性に欠ける面があった。その後に役員が交代して前出の打越氏(弁護士出身)など事務に強そうなスタッフが加わってようやく、会計情報を開示するようになったといういきさつがある。有り余る資金力を有する団体が貧困少女の支援名目で募金を募るとなると、一気に支持者の熱が冷める可能性は否定できない。


特に留意するべきは税制上の扱いでの違いだ。政党や後援会などの政治団体と、コラボなどの一般社団法人では課税対象が違う。政治団体は、例えば機関紙などを販売して売上が上がっても、原則として所得税や法人税の課税対象とならないのに対して、一般社団法人は原則として事業で得た収入は課税対象なのだ。例外的に①非営利型という要件を満たして、かつ②収益目的に当たらない事業から得た所得のみ、非課税となる。



国税庁HPより。)


一般社団法人の税制は複雑で、例外規定はあるものの、物販事業などは原則として課税対象だ。なお今年の春以降になってだが、コラボは経理担当者として、簿記の資格などを有するものを盛んにリクルートしていた模様がTwitterで観測できる。この記事の続編では、コラボが強い政治力を持つに至った経緯とその帰結をより細かく考察する。

colabo kessan boshuu


*ここまで述べてきたコラボは、に東京都心部で10代20代の女性を対象に社会支援的な活動を行うという趣旨で出発した団体だ(立憲民主党ないし共産党の選挙や政治活動を応援するスタンスをとっている。例えば共産党などは、先の参議院選挙で「#比例は共産 メッセージシリーズ仁藤夢乃さん」というビデオをYouTubeで流しており現在でも閲覧可能)。


kensakukekka kouekininteihoujin

(寄附金控除の対象団体ではまだないが、これであれだけの集金をできたのは大したものだ。なお公益認定一般社団法人であるかどうかの確認のためColaboの情報を入れたがヒットしなかった。)


**れいわ新撰組日本医師連盟自由民主党本部の政治資金収支報告書リンクを参考に並べたのでご覧いただきたい。


***表中にも書いたが岸田、枝野や菅義偉氏ら政党党首については、それぞれの政党支部や本部から個人に支出される金額が含まれていないし、また「自由民主党本部」の収入総額も自民所属の各議員が有する支部などの収入は計上しておらず、あくまでも一つの目安ではある。また幸福の科学のように世間的に忌避されるネガティブイメージを有している場合には、いくら資金を投下しても得票が難しいなどの面はある。ただしやはり財政規模は団体の影響力を測る一定の参考にはなろう(その気になれば団体との間で何度も資金移動をできなくもないので良くも悪くも、一つのメルクマールで限界があるのだが)。


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