一般社団法人Colabo(以下、コラボ)は実に、ブレにぶれている。今年の公式アカウントツイートでは以下のように、コラボは安全のため活動開始時から徹底して、安全上の理由で訪問を受け付けない、電話番号は公開してないなどと謳っている。だが実際の立ち上げ直後は教室訪問歓迎、電話番号も当然に表に出したスクール業だったのだ。
また、Colaboでは、応援者の方の訪問や、事前連絡のない物品等の郵送でのご寄付も受け付けてけておりません。
送りつけなどの被害も多数受けており、活動開始時から安全上、そのように対応を徹底しているため、ご理解ください。応援頂ける方はHPよりご連絡ください!https://t.co/XPjno7y5HX https://t.co/PoXk1w2iPA
— Colabo*Tsubomi Cafe (@colabo_official) February 1, 2022
しかしコラボと連携して「コラボ女子高等学院」というサービスを開始した株式会社代々木高等学校(代々木ゼミナール系列と名前が似ているが別物である)が出した2013年のプレスリリースを見てほしい。学費は1年分か半年分をまとめて支払いで入会金は5万円のスクールである。当然に特定商取引法上も役務提供の場所を記載した書面を交付する必要がある(コラボがそこまでやっていたかは、知らない)。
ちなみに初回の支払い金は、半年分かつ最も安い月33000円コースを選んだとしても入会金と合わせて24万8000円で、最高値の6万円コースで1年契約の場合は77万円である(教材費などは別)。
(コラボ女子高等学院のリリース資料より。以下も特に断り書きがない場合、同様)
活動当初は、登記簿上の住所である渋谷区宇田川町6ー15の201号室を連携先通信制高校の「サテライト教室」にして、月謝を6万円などとするサポート校事業を行なっていたのだ。貧困女子の救済などというのは、事業の目論みが変わって以降の後付けである。要は塾である。このような月謝が発生する塾で場所的拠点がないというのは聞いたことがない。そして教室見学も受け付けていた(事前に要電話)。活動初期から訪問を受け付けないという説明とは、相反する。
(稲葉理事が副校長で、仁藤代表理事が校長先生だったとある。)
通信制高校と業務提携した「サポート校」がコラボの出発点(の少なくとも幹の部分)である。スタッフの中にもひょっとすると知っていない人もいるのかもしれないが、登記簿上の本部住所はティーンエイジャーなど向け教育サービスの拠点だったのだ。貧困に困るJKがいるという点やフェミニズムアピールを強調するのは、立ち上げから1年以上経ってからである。
以上のように、平気で事実と異なる見解を開陳する団体が、多額の寄付を募るーーそしてそれに応じる人や団体があるというのは、なんとも歪な状況である。
ただコラボが色々ということの変わるのは、珍しいことではない。以下の2つのツイートを見比べてほしい。一つは仁藤夢乃氏の2021年のもので、もう一つはコラボオフィシャルアカウントが2013年に行なっていたツイートである。
ColaboへDHCの商品を寄付される方がいるのですが、繰り返される差別的な発言を容認し、差別へ加担することに繋がるため、差別企業の製品を女の子たちに提供することはできません。物品寄付をしていただく際にはDHCの商品を選ばないでください。#差別企業DHCの商品は買いません https://t.co/SnahLenk7D
— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) April 9, 2021
AmazonやiTunes、ビックカメラやDHCでのお買い物でColaboをご支援いただけます!! → http://t.co/QwxmGPxteK 他にも、じゃらん、チケットぴあなど多数!ショッピングの際はぜひ、このページを通してのお買い物でColaboの活動にご協力ください! — Colabo*Tsubomi Cafe (@colabo_official) August 6, 2013
一目瞭然だが、2013年には積極的にコラボはDHCの通販サイト経由で寄付を募っていた。だが、政治色を強くしていくーー端的にいうと仁藤夢乃氏が「フェミニスト」としてのキャラクターで売り出してコラボも左派の政治勢力として頭角を表し始める2014年半ば以降にはDHC(創業者の右派的な政治スタンスで知られる)やアパホテルなどの商品、サービスへの嫌悪感を、やや露悪気味なくらい強く仁藤氏はアピールし始める。
従来見た通り、仁藤氏は成人してもアニメ好きで下ネタをよく飛ばしてAKBを踊るなど、愉快でノリのいい極めて普通ぽい人物であった(少なくともSNSの投稿を見る限りは)。それが急に極端なフェミニズム系へと性格が激変したことには疑問を呈するネットユーザーもいる。もっとも、DHCの創業者の政治スタンスが極めて右派的であるのが強く問題になったのは2016年で、ひょっとすると仁藤氏はそれ以降DHCが嫌いになったという可能性もある。
ただ迷惑なのは、寄付をした人である。もし2013年のコラボオフィシャルのツイートを見た記憶があってDHC製品を寄付したら、2021年の仁藤氏には「迷惑だ」と切り捨てられるのだから。
【10月9日更新】ウェブアーカイブで2013年7月16日時点のコラボウェブサイトをみると、トップページがコラボ女子高等学院の紹介になっていた。結局スクール業としての試みは頓挫するものの、この時点ではコラボの主力事業として学習指導を見据えていたことが伺える。
関連記事リンク 野党の支持母体「一般社団法人Colabo」の分析(1) 年間収入1億8000万円で岸田首相政治資金団体以上の集金力に、公称サポーター数1647名 仁藤夢乃氏32歳の絶大権力
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(2)・・・フェミニズム要素は皆無のスタート 「社団法人」という選択の成功
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(3) 取材対象の少女に著書を配布と、労働力確保のビジネスモデル
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(4)赤旗から聖教新聞、朝鮮総連系まで広い露出ーー「日本会議・左派バージョン」の迷彩戦術
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(5)資金源は意外な「保守・警察系」団体・・・2018年以降は助成金の支払い元がどんどん追跡困難に
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(6)共産党「赤旗」は「機関誌」でなく「新聞」あつかい・・・赤旗への露出率は年々増加
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(7)出所不明の助成金は誰が出したか・・・出資「していそうな」側の記録で追う・・・一握りのサークルで「助成金ジャック」する慈善業界の格差構造
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(8) 10代後半の仁藤夢乃が見た風景・・・クルド難民支援から「女子高生サポートセンター」への脱皮
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(9)実践倫理宏正会との対比で見る、掴みどころのなさ
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(10) 学生運動から生まれた「政治教会」・・・農園=宣教場と宣言した牧師が特異な予備校講師として仁藤夢乃を導いた軌跡
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(11)「ボランティアなら被害少女の体験を」・・・過酷なロールプレイに見る、採用方針と内面統制
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(12)仁藤夢乃氏の削除したツイッターアカウントと投稿内容で見るコラボ・・AKBを踊りアニメファンで下ネタ好きの意外な素顔
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(13)操作されたメディア 仁藤夢乃氏「メディア総出で準備を手伝った」ーー『私たちは買われた展』が記者に作られるまで
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(14)ノンポリ風の「お姉さん」が、反基地フェミニストへ向かう過程ーー左派展開と明治学院大教諭らの影
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(15)仁藤夢乃を導いた阿蘇牧師のインテリ教会ーーー中国国内で公安の目をかいくぐり北朝鮮情勢を調査した異色の韓国人牧師・賈晶淳氏
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析の分析(16)安全のため訪問は受け付けずという虚偽見解 9年前は初回納入金24万8000円〜のスクールビジネス
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(17) フェミニズム以前の幸せな日々ーー仁藤夢乃氏のアイドル嫌いと「キモいおじさん」発言はどこから来たのか
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(18) 2つの「コラボ」・・・NPO法人カタリバによる東北コラボの存在と、仁藤氏コラボの分離・独立
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(19)人の導線でない新宿区役所から「動かない」バスの謎
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(20)仁藤夢乃と稲葉理事の出身母体 年間収入16億円の巨大NPO法人「カタリバ」・・・相方経営と教育スタートという共通項
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(21)軽度知的障害者らの支援と、政治動員という倫理的ジレンマ
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(22)キリスト教婦人矯風会とコラボ① 1886年の禁酒運動から戦後の左傾化・・・「神の宮」としての人体と、理想の毛沢東体制
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(23)矯風会とコラボ② 機関紙にコラボ役員の「ゴースト出演」と、「ツイフェミ化」した矯風会
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(24)英語HPでの扇動問題「東京の女子中高生が路上生活」「女子高生五千人はJKビジネスの影響下」
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(25)東京都からのバスカフェ業務委託と、個人情報保護条例に関する諸問題」
関連記事リンク 「一般社団法人colabo」の分析(26)福祉名目で困窮した少女に接近して、政治動員へ転用の体制に個人情報保護法違反の疑い
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(27)近隣団体・個人への攻撃性と、その戦闘員としての少女兵たち
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(28)初の著書は景表法違反の疑い濃厚なステマレビューで売り出しだった・・・マーケティング至上主義のニヒリズム
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(29)ピンクバスの謎・・・コラボが頻繁に交換費用を計上のタイヤ、なぜか8年前の2014年製造と刻印 車体確認で判明
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(30) 開示文書67ページ、ほぼぜんぶ手書きの「仁藤夢乃日誌」で読むコラボ
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(31)パンフレットはページ単価3000円未満に名刺デザインは〜1485円・・・クラウドワークス発注案件で見えるコラボの「倹約」経営
2015 関連記事リンク: 「日本は児童買春の国」・・・秋葉原でJKの服装をしただけの女性を写した写真を根拠に、外国特派員協会で記者会見が開催
2015 関連記事リンク: 仁藤夢乃氏 フィリピンで講演メイドカフェを「日本は児童買春の国」の証拠と主張したスライドをまた使用
2015 関連記事リンク: 「JKビジネスをする少女の3人に1人は給食費のために働いている」・・・仁藤氏の社団法人Colaboにより、複数の外国有力メディアが日本を女性蔑視の国と攻撃
【江藤貴紀】