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「一般社団法人Colabo」の分析(6)共産党「赤旗」は「機関誌」でなく「新聞」あつかい・・・赤旗への露出率は年々増加

2022年8月29日16時42分

「一般社団法人Colabo」の分析(6)共産党「赤旗」は「機関誌」でなく「新聞」あつかい・・・赤旗への露出率は年々増加

第4回で、「一般社団法人Colabo」(以下、コラボ)が宗教系から政党関係までとても広いメディア露出をしていることーーそのために実際はどの宗教または政治勢力と親和的なのかが判然としないことを確認した。また第5回では資金面では①パチンコ業界の団体で警察官僚の多く天下りを受け入れ、政府の審議会などにも顔を見せる刑事法学者を役員として擁するところや②JTこと日本タバコ(かつてはタバコ専売公社)③統一教会政治部門・勝共連合の元創設者である笹川ファミリーが創立して現在も代表を務める日本財団など、エスタブリッシュメント側から(政党でいうと自民党寄り)の支援が、少なくとも確認できる限り強いことを見た。


ただし同時に近年はその費目、ことにスポンサーがどんどん非公開となって行った面も確認した(注)。ただその中でも新たに見えてくるものはある。それは取材を受けた媒体「に」対するコラボの扱いである。


以下、2022年8月28日時点でのコラボホームページ「メディア掲載・受賞歴」内のメディアの区分だ。



(エコーニュース編集部作成。 テレビ・ラジオ 新聞 機関誌 WEB 書籍などの区分がある)


年ごとに細かい区分は異なっているが、「機関誌」(とても雑にいうと、、国・政党・団体などが自己の主張の正しさや、敵対団体の言い分が間違っていることを喧伝するために出すメディア。それ以外の媒体に比べて中立性や公平性などは無い、あるいは期待されない)ではなく「新聞」の中に「しんぶん赤旗」が入っていることが分かる。この赤旗は共産党発行の典型的な「機関紙」である。一般には機関誌と機関紙はあまり区別されないと思うが、コラボが「機関誌」の方の表記をしているのは「赤旗は雑誌ではないーーーだから新聞に入るーーーとの言い分を使おうとしている共産党シンパのように、自分を見せたいのだ」と見える。


ではこの区別は誰に向けてHPで広報したものか。10代や20代で機関誌(機関紙ともいう)とそれ以外の媒体の区別ができる人間がどれだけいるのか・・・まあ100人に1人ぐらいだろうか。そしてほとんどの一般読者が機関紙という言い方をしないのは(色があるくらいは感じるとしても)、実生活に関係ないからだ。


加えて代表の仁藤夢乃氏が受けているインタビューによると、コラボが支援対象としているのは、学習については困難のある青少年が多いという。とするとウェブサイトに「機関誌」という区分をわざわざ設けているのは、メディア関係者や政党関係者などを読み手にした広報戦略と考えるべきである。つまり(本当は赤旗は機関誌に入るという区別を知っているけれども)「あえて、私たちは赤旗が信頼できる報道の情報源であると扱います」(つまり共産党の宣伝に協力します)ということを言いたいわけだ。


ここまでマニアックに、区別にこだわるのはすごい。ではその赤旗への露出はどうだろう。コラボのホームページにある記載をもとに、年毎の新聞と赤旗への露出回数をまとめたのが以下の表である。



(エコーニュース編集部作成。パーセントを出す際は少数第2以下を四捨五入してある)


これは年度ごとに、①新聞への登場回数、②赤旗への登場回数、③赤旗への登場率(その年の新聞に登場した回数のうち、赤旗に出た回数つまり①で②を割ったもの。)、④2013年から合計での赤旗への登場率を示したものである。すると、強烈な共産党シンパのイメージとは裏腹に初期には必ずしも赤旗への登場率は高くなかったということが分かる(ただし上記の「機関誌」と「新聞」では赤旗を「新聞」に入れていたことも事実である)。


例えば③の赤旗登場率が10パーセントを超え始めるのは2019年度からで、2021年度には累積搭乗率の④も7.3パーセントに達する。つまりコラボは徐々に共産党に近づいている。ちなみにコラボのメディア戦術は徹底的に仁藤夢乃代表の一枚看板にこだわっている。これだけメディア露出しているにも関わらず、筆者が見たかぎり他のスタッフが(例えば「縁の下の力持ち」などとして)脚光を当てられた例は、ない。強固な一枚岩の支配統制が組織内部で取られていることは明らかである。


ただコラボの看板・仁藤代表の「赤旗率」をどう解釈するか。(1)「コラボは活動しているうちに共産党に近づいた」のか(2)「もともとコラボは非常に共産党に近かったのが時間と共にそのカモフラージュを解いた」と読むべきか。あるいは、(3)「もともとコラボは別に共産党支持ではないのだが、あたかも共産党支持であるように見せかけるために、あえて共産党に近づいたように見せている」のか。


コラボは明らかに当初から政治の玄人なムーブを見せて、周到な組織化を団体立ち上げ時から進めている。そして第5回で見た通り資金面では順風満帆で、特に共産党に擦り寄る理由はない。よって(1)は除外するとして、(2)と(3)はどちらの見方を採用するべきか難しい。表面的な仁藤代表らの言行を重視すれば(2)の結論になるが、資金面の流れが警察官僚関係団体から多く流れ込んでいたことを重視すると(3)となる。以上のようにコラボの実際の政党との関係について、現象的に見えている以上のことを結論づけるには、今回はまだ早い。連載の次回ではコラボと参加者などとの関係に焦点を当てる。


最後に、コラボは頻繁にホームページを削除、改変する(場合によってはURLすら変えて魚拓での追跡を困難にする)ため以下、2022年8月28日時点での「メディア掲載・受賞歴」の魚拓を以下に添付する。


https://web.archive.org/web/20220828112344/https://colabo-official.net/about/media/2013-2/

https://web.archive.org/web/20220828112109/https://colabo-official.net/about/media/2014-2/

https://web.archive.org/web/20220828011234/https://colabo-official.net/about/media/2015-2/

https://web.archive.org/web/20220828011249/https://colabo-official.net/about/media/2016-2/

https://web.archive.org/web/20220828111249/https://colabo-official.net/about/media/2017-2/

https://web.archive.org/web/20220828112638/https://colabo-official.net/about/media/2018-3/

https://web.archive.org/web/20220828113426/https://colabo-official.net/about/media/2018-2/

https://web.archive.org/web/20220828113618/https://colabo-official.net/about/media/2020-2/

https://web.archive.org/web/20220828114226/https://colabo-official.net/about/media/2021-2/


なお念のため2018-03/で終わっているのが2018年分年のURLで2018-02/で終わっているのが2019年のURLである(ここだけURLのパターンが狂っている理由は不明)。


注:コラボは一般社団法人なので、政治資金規正法の「政治団体」に対する縛りや上場企業、公益法人などの場合と違って情報開示の規律は受けない。なので例えば50万円分の寄付をA党の誰からもらったかというようなことは公開する必要がない(町の中小企業が取引相手を公開しなくても良いのと同じ)。

政治活動が目立つ近年になってからも、政治団体を作ってはいないが、作らないのには理由があるのだろう(政治団体は作成手続きは簡単で費用はかからず税制面でも一般社団法人より有利である)。

政治団体の弱点は、収支報告書その他の届出義務だ。主な事務所の場所や電話番号、また一定額以上の寄付であればどこに住む誰がいつ払ったかなどを仔細に選挙管理委員会へ報告するなどの義務がある。加えてごく一部の都道府県を除いて、直近3年分の収支報告書はホームページで公開しているため、いつ誰から何をもらったかなどの情報は(例外もあるが)ダダ漏れになる。


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【江藤貴紀】


 

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