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野党の支持母体「一般社団法人Colabo」の分析(2)・・・フェミニズム要素は皆無のスタート 「社団法人」という選択の成功

2022年8月26日10時02分

野党の支持母体「一般社団法人Colabo」の分析(2)・・・フェミニズム要素は皆無のスタート 「社団法人」という選択の成功



(2012年の仁藤夢乃氏ブログ記事。コラボ立ち上げ当初はブログジャンルが「大学生/起業・ベンチャー」となっているのに注目)


前回記事(リンク先参照)では、一般社団法人Colabo(以下、コラボ)が1億8000万の年間収入と1600人以上のサポーターを誇り、なぜ仁藤夢乃氏は野党内で強い存在感を放つ戦闘集団を組織できたことを確認した。しかし他の野党系団体と違いを出せたのはどこか。まず団体の「肩書き」へのこだわりが極めて大きい。


実はそもそもコラボのスタートはファミニズム団体ではなかった。冗談に聞こえるかもしれないが、その初陣はJKビジネスの被害者「女子高生」ではなく、「女川高校生」ら2011年の震災被災者を支援する企画なのだ。コラボ内容は復興支援の助成金を使った大福企画販売(「ジョセイ」団体ではあるが「女性」でなく「助成」団体だ)。コラボのホームページにあるメディア掲載・受賞歴を見ると、ふぇみん婦人民主新聞 「難民高校生のリアルを発信する」が見つけられてそこに記載がある。


この「ふぇみん婦人新聞」の記事名でグーグル検索するとコラボのツイートが出て引っかかり、そこには「東日本大震災支援団体Colabo」を仁藤氏は設立したとある。この時はどのような様子だったのか。


今では仁藤氏当時のブログ記事を軒並み消去してしまった。だがコラボ掲載のイベント受賞履歴は残っているので2012年に受賞した「あしたのまち・くらしづくり活動賞 振興奨励賞」を見てみよう。以下の賞、「あしたのまち・くらしづくり」は「ご案内によると「あしたの日本を創る協会」、読売新聞東京本社、NHKが共催して実施しています」とあり公益財団法人「あしたの日本を創る協会」のウェブサイトには今でも過去の記事が載っている(*)。

ashita onagawa

協会ホームページより)

その中では「被災地の高校生と共に、「笑顔・幸せ・楽しい」を」とあり団体名と所在は「東京都世田谷区 Colabo」だ。この時点ではまだコラボは法人ではないただのグループだ。そして大事なのは後につながる、売買春やポルノ関連の規制に関係する、フェミニズム運動などへの言及が全くないことだ。)


dantai hikaku

(編集部作成。さまざまな例外はあって学術的正確性は欠けるが、大まかな団体間の違い。)


ところでコラボは法律的には「一般社団法人」といい、2008年から適用が始まった「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」で新たに登場した法人の種類だ。そして代表の仁藤氏は、ただのボランティアをやっていた2011年から数年で肩書きを目まぐるしく変化させた。


nito 2011 gal

(2011年時点の学生イベント案内告知文)


最初の①東北で震災復興支援をやっていたころから、2013年3月1日に初の著書「難民高校生」を出版した時点までは「Colabo代表」だ。特に何の工夫もない。これが②2014年に2冊目の著書「女子高生の裏社会~「関係性の貧困」に生きる少女たち」の出版時には女子高校生サポートセンターColabo代表理事とへと変わる。「女子高校生サポートセンター」は、法人の名前ではなくて仁藤氏が売り出した謳い文句だ。聞き方によってはまるで援助交際を想起させる、扇情的だが覚えやすい肩書きだ。③そして2016年に「難民高校生」の文庫版を出版する際には「一般社団法人理事Colabo代表理事」という、今に至るまで使う肩書きが定着する。

nito yomiuri colabo

なお2011年11月18日の読売新聞報道では「学生団体Colabo」代表の仁藤夢乃さんとある。この時点の構成員は学生のみということだったようだ。また11月3日の読売新聞では特に団体名は記載されず学生のボランティアとだけあった【2022年8月26日22時26分追記】。


ちなみに今の「一般社団法人、一般財団法人」と、かつての法でいう「社団法人、財団法人」の立ち上げは、まるでハードルの高さが違う(かつての社団法人は主務官庁の認可が必要で、そのハードルは高かった。専務理事であれば中央官庁の課長ぐらいの報酬が相場観であり、また代表者を務めるとそれだけで「叙勲」の対象になったという(叙勲を得た実業家・田中幸穂の伝記による))。いわば街の個人商店を作るのと、上場企業を立ち上げるぐらいの違いと言ってもいいかもしれない。


wakuyamati

(コラボホームページからリンクが抹消された過去の報道の一部。下の切れ端部分をよく眺めると「湧谷町」(ワクヤチョウと呼ぶ)に事務所を開設して支援継続の予定と確認できる。残念ながら被災地とその支援は、よりキャッチーな「東京渋谷のJKビジネス」に今では取って代わられている


ところが社団法人と一般社団法人では、名称が酷似している。コラボ関係者はそこをうまくついたのではないか。新聞、テレビなどで取材をする記者も、あとまた活字の読み手やテレビの視聴者もほとんどは法律専門家ではない。しかも高齢化社会の日本となると当然に、アップデートされない昔のイメージで物事を考える人が多い。世間が「社団法人」の響きで連想するのは地方名士や業界団体の取りまとめ役だろうーー20代でその立場についた仁藤氏は「新進気鋭のリーダー」になれるわけだ。


またNPO法人でないところもポイントだ(今のコラボであればNPO法人はすぐにでも作れるーーその方が税制面でもメリットが大きいーーがコラボはNPOを選ばない)。NPO(非営利団体)という言葉にはふわふわしたボランティアというイメージもあり、「市民団体」の匂いを感じる人があるからか、はたまた詳細な財務資料の公開を嫌ってか。どちらも理由としては成立する。

仁藤夢乃カレー

(過去のLINEブログ。お世話になった人々に向けた謝辞の形跡があるが、写真はもう残っていない)


nitokaigi

(2011年の写真を編集部が入手して加工したもの。仁藤夢乃氏が高校生とお菓子の企画でブレインストーミングのようなことをして「コンセプト」「色」「自己紹介の仕方」などを黒板に書き出している。お菓子と同じことはコラボの運営にも当てはまるだろう。無断転載禁止。)

法と時代の隙間をついた「一般社団法人」の無色透明なイメージは、街中の声かけでも、またメディア出演時の肩書きででも威力を発揮したはずだ。例えばだが新宿や渋谷で堂々と「日本共産党ですが、食糧をお配りしています。タダでフリーWi-Fiも提供するし、ホテルへも無料で泊まれます。お悩みのある方ぜひ来てください」とか「立憲サポーターズです。若い方の社会に対する不満を伺っています」と政党が言ったのではあまり人は寄り付かない。「聖書を配っています」などという類の宗教の勧誘家などに至ってはより警戒される。

メディア露出でも新聞、テレビへその代表者が盛んに出演することはむずかしかろう。

sakushu

(2011年当時の様子。商品企画した甘味について「完売御礼」との札を仁藤氏と高校生らが持つ。被害者(被災者)女子を活用してステップアップする仁藤氏の志向がよく出ている)


シャレていうなら「赤色」などでは思想の色がつき過ぎているので、希釈したわけだ。ちょうどコラボのイメージカラーは「ピンク色」で「アカ」をうまく薄めてある(仁藤氏が共産主義者と言いたいわけではなくて、全く正反対と筆者は考えている。)。実は冒頭に挙げたアメーバブログ、今では記事が削除されている。そして仁藤氏はアメーバブログから、LINEブログに全面的に移行した(これだけなら有名人にはよくあった話)。しかし筆者の知る限り指摘がないが、LINEブログも仁藤氏はすでに全ての記事を抹消している。野党の強力な支持母体の最高政治指導者に30前後歳の若さで上り詰めた彼女・仁藤夢乃氏は多くの人の想像よりも早熟で、したたかだ。(次回、第3回に続く)。


*注1 なおこの奨励賞には賞状のみしか出ない。賞金はないため実体は「残念賞」ぐらいだ。


**なお当サイトは赤をシンボルにしているが赤い思想の赤でなく、「あぶない刑事リターンズ」の「リターン」や赤い彗星のように、あとまた英語のreadをしゃれたぐらいで意味である。




以前あった記事が完全に消された現在のブログリンクより)


【12月3日追記】コラボ関係の文書を東京都に開示請求し、いくつかは開示されているが「組織図」「2021年度収支予算書」「2021年度事業計画書」などはタイトル以外全て不開示という決定になっている。そこまでの要保護性があるか、行政が業務を受託できる先をそこまでブラックボックスにしたら情報公開制度の意味が骨抜きになるではないかという感はある。


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【江藤貴紀】


 

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