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「一般社団法人Colabo」の分析(4)赤旗から聖教新聞、朝鮮総連系まで広い露出ーー「日本会議・左派バージョン」の迷彩戦術

2022年8月28日00時53分

「一般社団法人Colabo」の分析(4)赤旗から聖教新聞、朝鮮総連系まで広い露出ーー「日本会議・左派バージョン」の迷彩戦術



(「渋谷のギャルだった普通の女子」で売っている仁藤夢乃氏の2011年時点の画像。メガネ画像は珍しいのではないか。エコーニュース編集部入手資料。)


左派政党への支持を鮮明に打ち出す「一般社団法人Colabo」(以下、コラボ)だが、そのメディア展開はかなり特異だ。まずは仁藤夢乃氏の一枚看板である点。関連人物の情報開示を少なくすることで、セールス方法の一本化という他に、組織の全体像がよく分からなくなるという効果がある。またその謎深さをめぐってネットでは、キリスト教系から各種政治グループ、場合によっては海外との親和性まで匿名のネットユーザーが指摘されてきた。


にも関わらず、団体関連の書籍を引いてもメディア報道を追っても、探せば探すほど出てくるのはせっかく読み手が立てた一つの仮説を突き崩す別の情報だ。つまりアメリカ国務省とコンタクトしていて日本財団に表彰されているから米政府と繋がりがふかい、とかキリスト教左派との関係が強いとか、北朝鮮政府に近い朝鮮総連系の朝鮮新報に出ているからそちらと繋がりがある、など決め打ちしてもそれを掘り崩す別の証拠が出てきてしまい、皆が路頭に迷う。


参考に公式ホームページ記載のメディア出演歴を記事の見出しとともに挙げてみよう。全国メディアはほぼ全てであるので、変わったメディアを一部抽出するが昨年のもの(リンク参照)だと、特に党派制が強い(あるいは部数が少なかったり宗教系の)媒体でも以下の分だけある。


”朝鮮新報「友好への種を撒こう⑪ 痛みでつながる温かさ、強さ」

「フェミニスト・ウェブ・ジャーナル・イルダ(韓国版)「코로나 여파, 궁지에 몰린 십대여성 ‘성착취’ 심각(コロナ禍で窮地に追い詰められる10代女性 「性搾取」深刻化)」」

「日本財団ジャーナル「行き場のない少女たちを狙う性暴力や性的搾取。Colabo・仁藤夢乃さんが目指す全ての少女が安心できる社会」」

「日本共産党『女性のひろば4月号 NO.506』「呼びかけから排除された女性たち」」

「日本キリスト教婦人矯風会『k-peace第26号』「コロナ禍「ステイホーム」できない少女たち」」

ふぇみん婦人民主クラブ『ふぇみん婦人民主新聞No.3288』「コロナ禍で追い詰められる少女たち」

福岡県人権啓発情報センター『ヒューマン・アルカディアvol87』「コロナ禍で拡がる女性や子供の貧困、格差 「ステイホーム」できない少女たち」

東海大学『望星8月号』「男性への期待より女性の連帯を」

「日本医療福祉生協連『情報誌ComCom12月号 No.652』「考えてほしい 動き出してほしい あなたにできることがあるから」」

「新日本医師協会『母と子の健康第76号』「コロナ禍の中で子どもを守る ピンクのバスをご存知ですか?」」

「全日本民主医療機関連合会『民医連新聞 第1751号』「2022 道を決めるのは私たち「かかわって、つくる互いを尊重できる社会」」」

「東京都教職員組合『新聞都教組(新年号)』「新年号特集 虐待や性暴力被害にあった少女たちを支える」」

「全国人権教育研究協議会『月刊同和教育 であい 第719号』「コロナ禍で深刻化する少女に対する性搾取」」

「佼成出版社『やくしん5月号 第59巻』「街をさまよう少女たちとつながる」」

「生活クラブ連合会『生活と自治6 No.626』「バスカフェでつながる「助けて」と言えない少女たち」」

「週刊金曜日「岸田新首相の真贋 暮らしや命を守るのが政治の責任」」”


実に眩暈がするほど幅広い。コラボはいわば全方位外交を展開しているわけだが、これは非常に上手な戦略だ。つまり①ニッチな媒体も抑えて露出を増やし、様々な層(特に政治に関心のある人々)にアピールするという草の根戦術をとっているわけだ。

またもう一方で、②保険の意味も重要だ。すなわちキリスト教系で支援を固めつつも聖教新聞に出れば公明党からも悪く言われにくくなることを期待できるかもしれないし、立正佼成会系の「侯生出版社」に出たらそちらともいい関係を築ける。他にも共産党系メディアは赤旗から民医連ほか多く登場しており、また一方で笹川亮平とゆかりある日本財団にまで顔を出している(これは2011年からで付き合いが古い)。


コラボは、特に仁藤夢乃代表の極端な表現規制推進の姿勢などに対して、SNS上では毀誉褒貶ある団体である。にも関わらずなかなか批判的な報道ができないのは「可能な限りの媒体と仲良く友好関係を築いておくことで、その会社にシンパを作り、批判報道を抑制する」戦略が功を奏した結果ではないか。


ただ、よく見るとメディア戦略に一定の傾向が存在する。ならばいくらカモフラージュされているようでも、何らかのヒントはある。まずはメディアに対する区別だ。仁藤夢乃代表は「元渋谷ギャル」「お姉さん」と少女に呼ばれているなどとして「普通の女子でどこにでもいた今時の若者が政治に関心を持つに至ったオピニオンリーダー」というイメージで売り出している(その売り方については別稿に記す)。


が、コラボがメディアをどう把握分類しているかを見れば、いかなる意味においても彼女(たち)は若い女性を救いたいだけの「普通の若者」団体ではない。どういうことかというと媒体の区別に機関紙という概念を置いている点が決定的に普通ではないのだ(メディア関係者、特に年配の方や政党との関わりが強い方はご存じでも、普通の30前後で機関紙を新聞雑誌と区別する人は極めて少ない)。


この「機関紙」という言葉は馴染みのない方も多いかもしれないがウィキペディアでの説明に譲ると「機関紙(きかんし)とは、政党や各種団体などの機関(主に執行機関)が組織およびその見解等の広報・宣伝、会員や同じ階層に向けた情報交換などのため、定期的に発行する新聞である。同種の構造を持つ雑誌形態の出版物は「機関誌」と呼ばれる。」である。

また「組織論と機関紙」の概念の誕生は「ロシア革命の指導者ウラジーミル・レーニンは1902年、自著「なにをなすべきか?」の中で労働者の手による「全国的政治新聞」の発行の重要性を説き、機関紙が「暴露」と「扇動」のみならず、革命組織を全国的に作り上げる「集団的組織者」であるとした」に遡る。

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(コラボホームページより)

つまり要は共産主義発祥のバリバリの政治運動用語だ(*今ではこの言葉を使う団体は共産主義形に限らないが)。代表の仁藤夢乃氏は32歳だが、こんな政治運動ど真ん中のボキャブラリーをホームページに載せている団体はプロど真ん中の玄人さんである。(第5回に続く)


・この連載の記事は以下のリンクをご覧ください


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【江藤貴紀】


 

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