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一般社団法人Colaboの分析(13)操作されたプレス陣 仁藤夢乃氏「メディア総出で準備を手伝った」・・『私たちは買われた展』の裏側

2022年9月7日13時44分

一般社団法人Colaboの分析(13)操作されたプレス陣 仁藤夢乃氏「メディア総出で準備を手伝った」・・『私たちは買われた展』の裏側



(Colaboリリースの10周年記念PDFより。)

一般社団法人Colabo(以下、コラボ)のメディア戦術は巧みだ。今回はそのメディア活用が操作まで至る具体例を、コラボに対する記者たちのフィードバックを、コラボの活動10周年記念PDFで発行された活動報告書にある「メディアから見るColabo」から確かめたい。


結論からいうと、記者たちは取材対象とずぶずぶーー場合によっては報道倫理違反の「弱み」をコラボに握られる状態にまで至っていた。事実確認の難しさなどから扱い方の困難なケースについても、大手メディアが御用期間としてコラボの言い分を一方的に流すに至ったその過程が見えてくる。また一方で、「ノンポリ」風の大学生に見えた以前の仁藤夢乃氏が、メディアのお膳立てを受けてステレオタイプな「フェミニズムの闘士」のように振る舞うようになった過程と見ることもできる。


「買われた展」というのはNHKの2016年8月12日付け報道によると「かつて「売春」を経験したことがある少女たちが、その背景や自分たちの思いを知ってほしいと、写真や手記などを通して訴える」イベントである。同年の8月11日に東京・新宿区の神楽坂で開かれたのを皮切りにその後も断続的に各地で開催されている。


この「買われた展」だが、以下の仁藤氏のツイートにもあるように当日の飛び込み取材は拒否・・・(従前のコラボのメディア対応を踏まえると)主催者が事実上取材メディアを選定していた。要は内輪で作成した出来レースのニュースである。仁藤氏による説明は「飛び込みの取材は御断りさせていただいています。当事者を紹介してほしいというご依頼にも一切お答えできません。企画メンバーに不安を感じさせないよう、声を上げている女の子たちの安全を守るため」だが、誰が取材に相応しいかを取材される側が選定したイベントは、プロパガンダイベントである。




それにしても展覧会への参加メディアがなぜ、被写体の安全に関わるのか。もし安全に関わるような内容であればメディアかどうかを問わず被写体にとって危険な展示であるのでするべきではない、というふうに思える。要は、コラボと仲の良い記者でないと取材はお断りとなる。


これではシャンシャン総会もいいところで、批判的な目線も有するかもしれないメディアは事実上締め出しなわけだ。このことは以下に見るように、NHKほか全国紙全てがこのニュースを報じたという状況の下では事実上、「仁藤さんから断られて取材できませんでした」というのは大手記者クラブメディアの記者にとって横並びのネタを「落とす」ことになるーーつまり取材拒否された記者の人事評価が社内で下がるーーという仕組みを作ったわけで、コラボ批判を踏みとどまろうとする萎縮効果を個々の記者にもたらす意味がある点に注意されたい。いわばメディアに対する飴と鞭を使って、都合のいい報道をするように誘導するよう仕向けていた、と言われても仕方がない。


コラボの10周年報告書に登場する大手記者は3名で、順に①朝日新聞編集委員の大久保真紀氏で「2014年「オピニオン」『JK産業と少女たち』、2019年1月「フロントランナー」等で取材」②共同通信の澤康臣記者(現在は専修大学教員)が「2014年9月、JKビジネスについて「裏は性産業」「背景に虐待や貧困」など実態を報道」とあり③NHKチーフ・ディレクター 浅田環さん「2014年9月「ハートネットTV」と2016年10月「ETV特集」『私たちは買われたー少女たちの企画展』で取材」と紹介されている。


ここで目を引くのは②共同通信出身、澤氏のコメントで「私は、支援者ではなく、観察者ですというラインは守るようにしていますが、ちょこっとお手伝いすることもありました。」というところである。これに続く仁藤氏の発言では、澤氏の行動について「2015年にシェルターを初めて作ったときには、物件の掃除を女の子たちと一緒にしていただいて、沢さんは背が高いから、上の方のクモの巣をとっていただいたり「私たちは『買われた』展の初開催の日も、開場直前になっても準備が間に合わなくて「やばい!手伝って!」と、これは他のメディア関係者の方も総出で、パネルの準備や照明の設置など、なんでもやっていただきました。(笑)澤さんは、そこで女の子たちとも関係性をつくって、記事にすべきことを見つけて、自走の一時保護書の問題も記事にしてくれました。」という。

(活動報告、該当箇所より)


応じて澤氏も「今は大学で教える立場として、ジャーナリズムを考えると、本当は関わりすぎるのは微妙で、記者は誰からも独立してないといけません。とは言いつつも、やっぱりほっとけないものはあります。」という。なお後のNHK記者との対談箇所、報告書P44によると仁藤氏は「当時共同通信の記者だった澤さんが手作りのプリンをもってよくColaboに来て」いたとも述べている。


はて、これは一見、コラボが記者たちに、借りを作っているようである。しかし言うまでもなく、物品の差し入れに加えた、議論のある(買われたのか売ったのかという議論だけでなく、そもそも10代の児童らへの事実確認がどれだけ信頼できるものかを含めて問題となる)展覧会のイベント設営であるとか、団体のシェルターを取材するのに、そのシェルター自体の設置作業を記者が行うなどは、もろに取材側の「報道倫理」も崩壊させる行為である。澤記者はもはや退職済みであるものの、職場によっては良くて左遷の理由、悪ければ懲戒につながる一線を超える行為を、多くの記者に行わせることでコラボは大手記者との間に文字通りの共犯関係を作り出しているわけである(つまり記者たちは、どこまで明示的に意識するかはさておき、コラボに弱みを握られた、いわば「ハニートラップ」に別の意味で遭遇した状況になる)。


もちろん仁藤氏や澤氏の語る武勇伝がどこまで本当か、あるいは誇張もあるのかは分からない。だが仁藤発言が事実であったとしたら、大手メディアのうち、以下にあげるかなりのところが「買われた展」で自らの設営した展覧会を自らがニュースにするという禁じ手を使ったということになる。これと、朝日新聞珊瑚記事捏造事件は、取材目的があるていど正当でも、取材対象自体をメディアが作出してしまったという歪な構造において、かなり近いように筆者は感じる。


なお民間放送に加えてNHKも加入する「放送倫理・番組向上機構」(BPO)の絡みで公正報道の要請が強いテレビではなおさら、記者らの生殺与奪権を「取材してもらった」側であるコラボが握るという逆説が生まれる。


ちなみにコラボがホームページで紹介していたところの、買われた展の紹介欄「様々なメディアで紹介されました。」には「NHK 『買われた』展 少女の”売春”の背景に何が あさイチ 女のニュース 私たちは“買われた”」「朝日新聞 私たちは「買われた」展 女子中高生のSOSを知って」「毎日新聞 私たちは買われた展 女子中高生の体験、パネルに表現して」「読売新聞 中高生売春、思い伝える「企画展[狙われる女性](3)少女「売春するしかなかった」「東京新聞 「買われた女性」の心の叫び 東京・神楽坂で企画展」「産経新聞(コラボHPには記事名なし)「沖縄タイムス 買われる前の背景があることを…」「福祉新聞「買われた」女子中高生の気持ち知って 写真や文章を展示」「図書新聞 孤立させない―連鎖する性暴力被害のなかで、子どもたちがどのように生き抜いてきたのか、その実態を社会に広く知らせる展覧会」「AFP通信 動画:「私たちは『買われた』展」東京・神楽坂で21日まで」「BuzzFeed 上履きを買うために売春した少女。貧困や性的虐待、中高生を追い込んだ現実」「The Japan Times Tokyo exhibition focuses on plight of sexually exploited girls」がある。


それにしても国政政党の有力支援団体となるコラボが、展覧会の段取りすら自前ではできずにメディアに手伝ってもらったとはやや白々しい。加えていうと、多くのメディアが後掲の記事URLからもわかる通り8月16日に記事のリリース日を設定しており、横並びである種の報道協定を結んで、記事化していた様子がわかる。


このうち筆者が確認できた限りで、仁藤夢乃氏が総出で手伝ってもらったという、初回の(2016年8月11日からの新宿区神楽坂での)買われた展の報道をおこなった媒体は、ジャパンタイムズ 図書新聞 福祉新聞 沖縄タイムズ 読売新聞 毎日新聞 NHK バズフィード、朝日新聞である。(ただし図書新聞は石原俊教授との対談形式で、開催日までに現地取材をしたかは不明。また福祉新聞は9月9日付記事での紹介なので初日を取材したかやはりわからず、沖縄タイムズは「大弦小弦」というコラムでの紹介なので、取材しての記事かそれとも論説かはっきりせず、読売新聞はweb archiveなどを見る限りは魚拓はなかった)



買われた展取材について確認できたものについて、関連する記者などを挙げると、NHKは「あさイチ」で取り上げており、その際のリポーターは瀬田宙大アナウンサーで、またもう一つのリンクでは※2016年8月12日にNHK NEWS UPに掲載されたものです。とあり投稿者が「宮脇麻樹」とあり宮脇麻樹記者の記事である。


朝日新聞の大久保真紀記者報道は「『買われた』展 少女の”売春”の背景に何が」と題して「援助交際や風俗、JKビジネスなどで「売春」をした中高生たちが、自らの体験や思いを伝えたいと企画した「私たちは『買われた』展」が11~21日、東京都新宿区で開かれる。写真や文章、日記などを通して彼女たちは訴える。「私たちが、いま、ここで生きていることを知ってほしい」」などとある。しかしメディア関係者の手伝いをもし知っていて触れないとしたらミスリードである。またどちらかというと、展示に記者が参加していたことの方がニュースである気がする。


東京新聞は木原育子記者の署名記事。バズフィードジャパンは籏智耕太記者署名記事だが、8月19日に報道しており、他と同日ではないし、そのため初日の設営を手伝ったかは判然としない。AFPは、2016年08月18日 14:56 発信地:東京となっている。ただし記事内には配信日が【8月17日 AFPBB News】とありどちらが実際の配信日か不明で、記者はHiromi Tanoue氏。なお朝日新聞は開催に先立つ8月9日に記事でイベントをアナウンスしており署名は大久保真紀記者である。


山上徹也氏に殺された安倍晋三氏は首相へ「在位」していた際に、メディアの記者と多く食事を共にするなどして、記者との関係が問題となったーーそれとの因果は不明だが例えば統一教会に関してなどのテーマでメディア報道が歪められた可能性がある。であれば、取材対象者による記者へのコントロールは功を奏せば絶大な効果を持つということである。


また逆に、取材対象であったコラボやその代表者仁藤夢乃氏をはじめとする関係者も、メディア報道によって「教化」されていき、現在に至るフェミニズムの極北的なスタンスを築いたーーつまり取材と報道の過程が仁藤氏を作ったーー可能性はある。2011年時点での仁藤氏が全くフェミニズム色の薄い投稿をSNSにしていたのは前回記事の通りである。とりわけ、後掲の通り共産党機関紙の赤旗もこの展示を報道していたことなどからすると、なおさらである。


以下、コラボHPにあった「買われた展」の記事化例である。

http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20160816-OYT8T50008.html (リンクと魚拓、見つからず)

https://web.archive.org/web/20210729141634/https://mainichi.jp/articles/20160816/k00/00m/040/055000c

https://web.archive.org/web/20180707172445/https://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/251174.html

https://web.archive.org/web/20160828001624/http://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/160824/3.html

https://web.archive.org/web/20200810030215/https://www.japantimes.co.jp/news/2016/08/17/national/sohttps:/www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/251174.htmlcial-issues/tokyo-exhibition-focuses-plight-sexually-exploited-girls/#.XzC4yi_9dar

https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/what-you-can-do

https://web.archive.org/web/20160809090605/http://www.asahi.com/articles/ASJ883SR5J88UTIL01G.html

https://web.archive.org/web/20210412220521/https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/58164

http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/14141

https://web.archive.org/web/20170214164718/http://www1.e-hon.ne.jp/content/toshoshimbun_3267_1-1.html



【9月7日15時18分追記】コラボの2016年度分活動報告書では、掲載した新聞メディアに「しんぶん赤旗」も挙げられている。とすれば買われた展は大手メディアのほか赤旗記者も手伝って設営したこととなり得る。10周年記念の報告でこれを省いたのは意図的だろうか。ちなみに赤旗の報道は8月7日付であることが共産党ホームページで分かる


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【江藤貴紀】


 

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