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一般社団法人Colaboの分析(11)「ボランティアなら被害少女の体験を」・・・過酷なロールプレイに見る、採用方針と内面統制

2022年9月5日15時09分

一般社団法人Colaboの分析(11)「ボランティアなら被害少女の体験を」・・・過酷なロールプレイに見る、採用方針と内面統制



(一般社団法人Colabo(以下、コラボ)「活動報告書 10周年記念誌 活動する人・支える人特集2021」より)


農園合宿を用いた予備校でのオルグという、政治運動家の阿蘇敏文氏による型破りなリクルートで政治運動と出会った仁藤夢乃氏。師匠の阿蘇氏は、国内外での、キリスト教の布教戦略と経験に加えて、自らの活動を「反米」と著書で記述する程度には筋金入りの活動家であった。それでは、キリスト教及び左派政治運動という、いわば分派に次ぐ分派の洗礼を受けた阿蘇氏のガバナンスはどのようにコラボの中に生きているのか、今回はコラボのボランティア採用場面をもとに、その像をつまびらかにする。


コラボのスタッフから見たコラボの姿がメディアに登場することは多くないが、コラボ10周年を記念してと銘打って出されたパンフレットのPDF(URLからすると、2022年3月にアップロード)には、ボランティアの声が掲載されている。一般社団法人ではあるが、寄付を募ってボランティアで運営するという、NPO(あるいは宗教団体、政治団体)に近い団体のコラボにとって、この一般ボランティアの募集採用方針は、ここがどのような構成員を欲しているか、またゆくゆくはどうありたいかを示すメルクマールである。


はてここで「きょうかさん」という方の経験談として、支援者養成講座の「家出体験研修」の思い出が挙げられている。支援者志望の人々は、家出体験をした少女の実例に基づくというロールプレイをすることとなっていて、どのような少女の体験を参加者が味わうかは「くじ」によって決定される。きょうかさんの場合は「所持金0円。裸足で家を飛び出した。スマホはなし」という条件で「今日一晩、この条件で家に帰れない設定で過ごしてください」という研修を受けたという。



この状況での家出が実際にあったかどうかや、繁華街でコラボがそれを支援したのかどうかはさておき、もしあったとしてもこれを「大人が自発的に模してのロールプレイ」は子供以上に過酷な場合がある。というのは、良くも悪くも子供なら警察に補導の対象、言い換えると保護対象となる。また「裸足」であるところからすると、仮に成人の一人歩きであっても事件性があると見られる余地は十分にある。


ところがこの参加者は自発的に参加して「過ごしてください」と言われているわけで、警察に助けてもらうわけにはいかない。つまり警察からも逃げないといけない状態になる。きょうかさんによる体験談からは、開始時間や当日の気温天候などは分からないものの、お腹はぺこぺこで喉はカラカラ、眠くて判断力も生物的に低下しただろう。なお「くじ引き」の内容については家出少女のものとはあるが実際にどのようなくじがあるのかを事前に知らされた旨は書かれていない。


つまり自発的に参加したボランティア志願者の研修という体ではあるものの、聞かされたらブラック企業の研修も裸足で逃げ出しそうな、過酷なイニシエーションのような洗礼を理不尽にもクジで受けることになるわけである。筆者なら激怒して、どこかですぐに離脱するしこのような団体には近づかない。また多くの潜在的志願者はコラボへの参加を見送ろうとするのではないか


しかし、あえて高いハードルを設けているのには、相応の意味があるのだろう。というのはスタッフの陣容を見る限り適当に思いつきで組織運営や、その中でも最も重要な入口である構成員のリクルートを適当にやるとは思いがたいからである。まず代表の仁藤氏は阿蘇氏に師事して社会運動を学んだーーかの阿蘇氏は本人の著書によれば文字通りに「反米」の活動を世界を股にかけて行なってきた、人物である。なお彼の教会は、キリスト教徒以外にも門戸を開き、仏教徒やムスリムも広く受け入れていたというーーほか、もう一人の立ち上げ時の理事である稲葉氏はカタリバというNPOでそれまで活動しカタリバ副代表を務めた経験を持ち、いわばボランティア・NPO畑のベテランである。他の役員も北九州の大手NPO「ほうぼく」代表の奥田知志氏のほか法的リスクは慎重に検討されそうな川村百合弁護士などが名を連ねる。またスタッフにも活動報告書によれば河合塾の高認(旧大検)部門コスモ(阿蘇敏文氏がキリスト教の実践として農園ゼミや、ゼミ参加者の裁判への動員などを行なっていた)に勤務していた方などが揃う。



(コラボの活動報告書、より。美奈子さんという方がコスモ経由でコラボで働いておられるそうである)


もしこの陣容で、心優しいボランティア志願者へ(ドン引きされて団体から遠ざかる可能性もあるのに)「所持金と携帯電話なし、裸足で繁華街に出て一晩過ごしなさい」というならば、事件に巻き込まれたりするリスクを差し引いてもプラスになると考えて、従順な構成員をフィルタリングしているということではないか。言い方によればストレス耐性だとか、想像力を持つなどの正当化はできるだろう。しかし要は、指導部がいうことには絶対従いそうな人であるかどうかの踏み絵を施しているのではないか。


失礼な例えであるのは承知だが、いわゆる「特殊詐欺」などの手法はあえてあり得ない要求をする(例えば最初に送る脅迫のメールや郵便で、「東京地方裁判所」ですとうたいながら住所を東京都港区と表示したり、電話の市外局番を神奈川県のものにする)という話がある。それによって、騙されやすい対象者を選定して効率よく詐欺をしているという話はある。コラボの行っているのはそれに相似した形で「ブラックな環境に疑問や批判精神を持たず我慢してくれて、無償労働をしてくれる」存在をリクルートする洗練された方法だ。


くじ引き次第で「所持金0円。裸足で家を飛び出した。スマホはなし」という設定で「今日一晩、この条件で家に帰れない設定で過ごしてください」というのは、企業であれ学校であれサークルであれ、一般的にはパワーハラスメントなどの指針に触れそうで怖くてやれないと思う。



(一橋大学のパワハラ防止指針より)


そもそもだがコラボの研修が標榜した「虐待された少女を救うには、虐待された少女と同じ体験をしなければならない」というのは危険な論理だ。「違法薬物中毒の中毒者をケアするには、自らも違法薬物を使用する必要がある」であるとか「銃撃された人間を助けるには、自らも銃弾を被弾する経験が必要だ」と書き直せば、この理屈のおかしさと危なさがよくわかる。


この被害者研修が実際に果たしている機能というのは、よくても「言うことを聞き易い人員をリクルートする」である(もっと意地悪な目で見れば、宗教団体がその構成員に対して強烈な心的ショックを与えて、判断力を奪うのと似た効果があるかもしれない)。


ただ、連載第1回でも見た通り、コラボは現在の野党支持団体の中でも大きな影響力を振るっているのは、まさにこの従順な人員を集めるというその運動方針のためかもしれない。良くも悪くも選挙運動をはじめとする動員の過程では、是々非々など考えずに動く兵隊こそがスタッフとして必要とされる、それ以外は「不純物」として最初から削いである方が支援者リストとして精鋭揃いで頼りになる(仁藤の師匠である阿蘇牧師らは、渋谷の美竹教会と袂を分けて百人町教会を作る程度には、自分らが「不純物」であった。なら当然に団体内部の不純物へは警戒心も持っていただろう)。


締めくくりになるが、コラボはこの構成員の内面統制を、表向きの活動目標である少女への支援などよりも上位の目的においている節がある。これは過去話題になった、代表仁藤夢乃氏のアパカレーについての以下のツイートにも現れている。




アパホテルの運営会社がコラボと政治思想的に相反する右派であるから、その物品は寄付されたとしても使用しないというわけだ。なおこのスタンスは、「保護」対象が10代の未成年も含むことも併せて考えるならば、「いったんコラボの手中に入れた対象者は、コラボの容認しない思想との接触からは途絶させる」という若年者に対する思想統制の面も有する。従順な構成員をリクルートして異論の余地を封じると共に、保護対象者は自らの色に染め上げる、というのは確かに団結力の強い集団を形成するのに有効であったろう。ただここには個人の自由意志が働く余地は少ない(続く)。


【9月9日追記】コラボ理事の仁藤夢乃氏と稲葉隆久氏は、法人の立ち上げ時から明治学院大教員の石原俊氏や猪瀬浩平氏らに導かれて多くのアドバイスを受けていたようだ(彼らは役員ではなく、名前が出ない)。仁藤夢乃氏らの団体運営もどれほど「自由意志」の賜物だったと評価できるのだろうか。



(猪瀬浩平氏のSNSアカウント投稿より。1年半後、仁藤氏はこの猪瀬氏の差し入れを左派政治団体のデモ運動に運ぶなどすることになる)


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