一般社団法人Colabo(以下、コラボ)が、おとといの11月10日に、本来は予定していなかったバスカフェ事業をなぜか急に新宿区で実施していたことが分かった。後記の通り監査請求などのプレッシャーを受けて、これまで「サボり気味」だったバスカフェを、契約通りに仕方なくすることになっている可能性がある。
昨日のバスカフェでも、家に帰れずに過ごす子に多く出会いましたが、深夜ホテルはどこもあいてなく、コロナ前のよう。当日部屋を探すとカプセルホテルでも1.5万円超えで、そういうところも昨日は満室。ネカフェも数軒あたりましたが満室。韓国みたいに街中に女の子たちが泊まれるところを作りたい。 https://t.co/TXVF7m2LLl
— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) November 10, 2022
(仁藤夢乃氏のツイート)
実はコラボのバスカフェ事業に対しては、Twitterハンドルネーム暇空茜(以下、暇空氏)が、本来は月4回の実施で東京都と契約して契約金をもらっているのに、予定通りの回数を開いていないのは契約違反であるという旨など(他にもたくさんの理由)を主張して9月15日受付の住民監査請求を行なっており、それなどが影響した可能性がある(ただこのリンクの通り、東京都は却下決定を下した。)。
(新宿区あてにコラボが出した後援申請書の令和4年分。新宿区後援事業という建て付けで、行政所有地の新宿区役所庁舎敷地を利用する契約になっていた。)
(添付された別紙。令和4年11月9日は新宿区でのバスカフェは予定されていない。青の手書き部分は、コラボのスタッフによるものではなく筆者)
(東京都の却下決定文リンクより)
追加で出された監査請求があるという点については、その内容などについて新しいことがわかり次第、追記する(その場合タイトルを変更する可能性がある)。
住民監査請求についてのやや長い注:住民監査請求は実は、制度としてあまりに役所が撥ねつけることが多く、さらにその後の制度として住民監査請求の結果に不満な者は住民訴訟という訴訟を起こせることになっているが、ここでも裁判所が役所を勝たせることが非常に多いことなどから、制度として死に体に事実上なっているという指摘が著名な研究者などから出ている(例えば元神戸大学教授で、弁護士をしている阿部泰隆氏など)。
そして特に東京都相手の住民監査請求は、東京都が却下(住民監査請求に必要な条件が整っていないという扱いで、事実上の門前払い)をすることがあまりに多くて、そのこともあってか住民監査請求自体が件数としても人口の割にとても少なくなっていた。今年の住民監査請求で、結果が出ているものは4件でその全てが却下(門前払い)だ。人口1300万の東京都で今年まだ4件というのは多くの方に「やっても無駄」という諦めムードが漂っていたからと思われる(もっというと住民監査請求は、会社などの法人でもできるため、企業の集中している東京都の監査請求件数は理屈の上では他の自治体よりも多くなって然るべきである。ついでに東京都の面積が狭く、都内の大体のエリアからは、他の自治体の県庁などへのアクセスと比べたら、都庁への交通アクセスが極めていいこと、また住民も全体的に資力が高かったり大学などが集中している関係で研究者他の専門職や大学院卒など知的能力の高い住民も、率が高めであるはずなことを勘案すると、「東京都全体が他の自治体と比べて極めて優秀で公平な行政をしており、不満を持つものがほぼいない」という雑な仮定をしない限りは住民監査請求の少なさについて説明がつきにくい。)。他の県などに比べても東京都は監査請求自体が少ないし監査請求を門前払いする率も高いのだ。このことは東京都あての住民訴訟を管轄するのが東京地裁であり、東京地裁で行政訴訟を扱う部門が裁判所の中でも出世コースなこと、そして裁判所では行政訴訟で役所に不利な判決を出すと人事評価上、不利に取り扱われると言われていることなどの理由から、東京都は「どうせ訴訟になっても負けはしない」とタカを括って、住民監査請求への対応に後ろ向きであったと考えるのが素直というべきである。
なので監査実施に至ったなら、それだけで相当珍しい。監査請求連発の道徳的な良し悪しは実に注意深く留保したいのだが、筆者も監査の実施は全く予想していなかった(連載は次回に続く)。
ちなみに一部の方は監査請求制度の濫用である、という主張をされているようだが、一般条項の権利濫用を理由に各種の請求を自治体がけることは稀にだがあり、例えば情報公開請求でも愛知県内の一部自治体などは権利濫用で門前払いしていた運用がある。もし東京都の監査委員が監査実施に至ったとするならば、それは当然に権利濫用による門前払いができないかも考えた上で、権利濫用には当たらないと判断して監査を実施したということになると考えられる。
(やや古い千葉県のリンクだが、情報公開請求に対しての権利濫用を理由とした却下例に言及している。)
【11月15日追記】コラボのバスカフェが週1回の実施予定であることは、大手マスコミで大きく宣伝されており、例えば2018年のNHKテレビ報道でも「週1回」とされていた。なのに今までほとんど月に3回の実施に過ぎなかったということは、NHKはいわば「大誤報」を侵したわけで担当者の責任問題であると思われる。
(コラボフェイスブックページ(リンクはここ)のスクリーンショット。)
【11月16日追記】情報公開請求制度は、監査請求の前提となる資料を提供する手続きとして歯車の両輪であるところだが、暇空氏によれば、開示決定通知が出た後の郵送段階でなかなか郵便が送られないなどの牛歩戦術が取られたという(そのため、1度目の監査請求には情報公開請求で得た資料を添付できなかったらしい)。筆者にも11月14日付で開示決定のでた文書があるのだが、11月15日になっても郵送されてきておらず、その旨をお聞きしたら翌朝に(当日の朝、投函と見受けられる速達で)開示決定通知書が送られてきた。
【11月18日追記】東京都の情報公開請求に対する今回の応答では、料金後納郵便の速達を多用しているのが目につく。
例えば、以下の開示決定等延長通知書は11月14日付で出されたものなので、それへの決定期限は11月18日である。ところがこれが今日11月18日の午前に、速達で届いているのだ。11月15日に出た決定は当日の郵送ならば、東京都23区内のほとんどの地域へ翌日に届く(普通郵便なら午後、速達なら午前)。つまりこの決定は11月17日に速達で発送されたということになる。
文書の作成がなされて、翌々日に速達郵便を用いて発送するというのは明らかに郵送料の無駄であり、これも監査請求する人が(そのうち)出てきそうである。おそらくこの処理は普通郵便で出した場合に郵便切手へ郵便局の局印が押されて、どの日に発送されたかの証拠が残るところ、それを避けるための処理と思われるが、行政の透明性の観点からは、極めて好ましくない。
【11月22日追記】Colaboへの情報公開請求に対して、東京都情報公開条例15条3項の規定を使って反対の意見書が、利害関係を有する第三者から出された。ただこれで文書の開示が遅れた場合は、住民監査請求の期限が「正当な理由」で伸びるところ、その場合に当たる可能性がある。要は、コラボ関係者は自ら住民監査請求の1年というタイトな期限を、ルーズにしてしまっている(なおかつ情報公開されるとまずいところがあると謳っている)悪手のように思われる。
【11月24日追記】以下の通り、開示を遅延させる申立ては、正当な防御権などの範囲を超えた濫用的申立てであると筆者は考えている。
【ご報告】Colaboと仁藤夢乃さん の公金不正疑惑についての情報公開請求に対する、東京都同条例15条3項に基づく開示を妨害する申立ては、もし弁護士の関与がある場合は取材への妨害を理由として、懲戒請求を行う可能性があります。
— エコーニュース (@echonewsjp) November 23, 2022
なおこの点について、「資料のチラ見せ」と批判して全部見せろというふうにも取れる言い回しをしておられたTwitterアカウントの方がおられるが、そのかたの主張を敷衍すれば、開示請求への反対意見書をどこかの第三者が出したことは、全く好ましくないことといえよう。
【12月6日追記】情報公開請求に関する郵便物の配達において、都庁の育成支援課がサボタージュかと思えるぐらいに遅い動きを見せることがあったため、郵便の取り扱いについて情報公開請求をしたが特に郵便配達についてのルールはなかったということである。勝手に、財産犯などの疑惑の証拠になっている案件についての情報公開請求への決定通知や、開示の実施文書の送付を遅らせていた場合は、都庁職員に証拠隠滅罪などが成立する(取材をして生計を立てている相手方の場合は偽計業務妨害にも当たり得る)。
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【江藤貴紀】