自民党所属の葛飾区と江戸川区、江東区選出の地方議員7人が、自分が代表の自民党支部へ寄付をして、2011年から2013年の間に5010万円を対象に、議員個人の所得税や住民税を控除できる措置を取っていたことが政治資金収支報告書から分かった。
従来の記事と繰り返しになるが、自分が代表の政治団体なのでお金の使い道は自由に決められるが、地方議員の政党支部ならば5万円未満の支出について記載義務がないため、実質上税金だけを減らして自分のポケットマネーを作ることが出来るという問題がある。
そしてこれまでに明らかになった東京都内の他の都議および区議員らの分と合わせると、8億6734万5364円が23区内の自民党に所属する地方議員個人の節税対象となっている。
まず、葛飾区では平成23年に第二十七支部の布施秀明(ふせしゅうめい)区議会議員が90万円、24年に120万円、25年に210万円と合わせて420万円を自分が代表の団体に寄付で、所得税と住民税を控除できる処理を実施。
江戸川区では第二十一支部で八武先一郎(やぶさきいちろう、と読む。読みにくいかもしれない。なお寄付者名が八武崎信男となっているが、一方が通称名のようである)区議会議員が850万円を平成23年に寄付。また24年に677万円、25年には171万円である。
そして江戸川第十九支部の田島進議員は190万円を平成23年に、自分が代表の同支部に寄付。さらに24年には132万、25年には100万円で3年分を合わせて422万円が献金されている。
なお、斉藤正区議会議員は平成23年に100万円を寄付しているが、肩書きが「無職」なのが気になる。江戸川区の区議会議員というのは一種の無職なのだろうか。
斉藤議員は24年にもやはり100万円(なお、同居で不動産業の『斉藤きい子』の方が寄付に熱心で同年に200万を出しておられる)を献金で合計額は200万円である。
さらに江戸川第二十八支部では藤澤進一区議が平成23年に150万円、24年にも150万円、25年にも150万円を寄付で総額は450万円。
そして福本光浩江戸川区議会議員はもう少し大胆に、平成23年に400万円、24年にも400万、25年にはパワーアップして500万円を寄付で、計1300万円を節税対象に出来る処理。
最後に江東区であるが、区議の重松佳幸(しげまつよしゆき)氏が平成23年に100万円を寄付。ただしこれとは別に200万円を本人からの借入金(自分個人から、政治団体にお金を貸すこと)としていて(その分は寄付金控除の対象にならない)、このころはまだ控えめな経理を実行。しかししげまつ区議の政治資金収支報告書をみると24年にはもう少し寄付の割合が増えて。寄付金が200万円で借入金が60万円。そして平成25年には借入金はなしにして、250万円を一気に寄付するという税金対策的には一番賢い、大胆な処理をしている。
(ツイッターアカウントのプロフィールによれば「民間の邪魔をしない」のがポリシーだそうである。だが私見では、議員が税を払わなければ民間に財政負担のしわ寄せがどこかで来る気がする)
ちなみにであるが、江東区の自民党所属地方議員で、自分が代表の自民党支部に寄付をしていたのはこのしげまつ佳幸議員だけである(実は自民には総支部もあって、こちらを通しての分配については民主党、公明党などのはなしもあるが、そちらの方は長くなるので次回以降にする。)。
なお政治資金収支報告書の記載及び議員のHPを見ると23区内の自民党地方議員は非常に不動産業者が多く(特に2代目)、地方の土建屋なみの勢いである(近い親族も含めた割合は、改めて調べるがおそらく3割ほどになると思われる)。
他の自治体の自民党地方議員の政治資金収支報告書(東京都選挙管理委員会HPに掲載)は、この下のリンクから閲覧することが出来る。
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