本件について簡略に見ると、アーパス社はその代表者が汪近明や王海などワン一族である。しかも以下の通りワン一族は外国勢力との関係を否定しにくい不穏な動きを見せている。すなわち汪賢は平成24年に氏名のその両方を一度に変えて「王海汐明」と名乗った旨が登記簿に残っており、自己の来歴を秘匿する行為をおこなった可能性がある。父である汪近明の代から住まう渋谷区の邸宅は一戸建てだが表札には住所の表記しかない(なお同じ区画の別の個人邸宅はいずれも表札に名前を出しており、特別に氏を秘匿している家宅はなかった。)。また同社は宅建業を営んでいるが、1996年付の宅建業の業界年報にはファクシミリ番号を掲載していない一方で、1993年版の華僑紳士録にはファクシミリ番号を掲載している点からは、通常の不動産取引の相手とは連絡を取ることを望まない一方で中国ルーツの華僑たち(帰化していない者も多く含まれることは同紳士録の断り書きにある通りである。なおこの紳士録には外国人による違法献金として事件報道がされた著名人の「金美齢」も掲載されている)の間においては情報交換することに積極的であったことが窺える。また同社は1993年でもハワイ他、外国を含む各所に資産価値の大きいビルディングを保有しており、現在も少なくとも渋谷区の一等地に「宇田川ワールドビル」とその土地を有している(参考までに現在も、みずほ銀行はこのビルなどを担保に10億円以上を融資しており、登記簿上は抵当権が付着したままである)。にもかかわらず、ホームページを開くなどしていないことは極度の秘密主義的な経営姿勢を窺わせる。また株主構成については不明であるが華僑紳士録によればワングインターナショナルインベストメント社というアーパス社の元になった会社のオーナーは汪近明であり、献金当時のワングインターナショナルインベストメントの持分の全部または大部分を有する可能性が高い。
しかも2006年の解体工事に至るまで渋谷区宇田川町には「ワールドビル」という極めて名称の類似した、通常人をして困惑・混同させる名称をわざわざつけて国際勝共連合及び統一教会の広報部門である「世界日報社」を入居させていた。そして閉鎖登記簿記載の共同担保目録によれば「ワールドビル」「宇田川ワールドビル」とその地番に属していた土地を担保にして受けた融資の額は33億円にのぼることもあったほどにワン一家の不動産業は経済模が大きいにもかかわらず、未だホームページもないというのは不自然極まりない。加えて宇田川ワールドビル」は渋谷センター街先、東急百貨店近くの一等地に所在して店子は引も切らないであろう中で、一般には同一テナントへの入居を忌避されるであろう統一教会系団体を複数入居させるという不自然な振る舞いを見せていること、また我が国の公共放送である日本放送協会をなぜか入居させ、そのポスト受けは勝共連合の隣におき、手を伸ばせば統一教会関係の人間がNHK宛の郵便物の差出人などを目視することも物理的に可能な状態に晒していること、またNHKを顧客とするテレビ番組制作会社が複数、同ビルのテナントに入居しているが制作会社は他の民間大手のテレビ局の番組制作も受注していることがホームページから確認でき、場合によっては国内先端の保秘技術を有する通信システムを含む機密情報を扱う会社を選んでテナントとすることに成功している。そして施錠、改修工事その他の名目で接することが可能な状態にあること、ビル脇の看板に露出した注意書きからは、パソコンなどのゴミを廃棄する場合の管理会社(アーパス社がこれも担当している)への連絡を徹底する旨を特に入居者へ周知しようと図っているところ、PCや書類そのほかのゴミ類・特に報道を含む番組制作会社のゴミには通常セキュリティ上の重要な情報が含まれているところ、それらゴミ類への関心も同社は強いことが窺われる。
(宇田川ビル外観の一部)
一方で汪近明が中国本国では中国共産党の地方機関紙によって大金を寄付して中国に小学校他のインフラを整備した旨が賞賛されていること、その寄付額は7億5000万円以上である点などからすると、中国本土の政府とワン一族のある程度は強固なへ政治的な関与の機会が存在したことは明らかである(なお清朝末期の政治的動乱とワン一族の関係については別稿に譲るが、この時点では日本側エージェントであった可能性がある。ただしある国のエージェントが、別の国のエージェントになるーーミイラ取りがミイラになることが極めて頻繁であるーーことは古今東西、実例が報告されている。)。
すると、ワン一族が経営するアーパス社は、外国勢力の影響を受ける可能性がとても高い状況に類型的にあり、かかる法人による寄付はこれらの実情を総合考慮すると、政治過程で日本の国益を害する可能性が高い「外国人を主たる構成員」とする企業による寄附と評価するべきである。
したがって①アーパス社側の関係者らと、②自民党支部担当者、③スパイ防止法制定促進国民会議担当者についてそれぞれ、政治資金規正法上の寄附の質的制限(法22条の5第1項)違反が成立する。またスパイ防止法制定促進国民会議の会計担当者は、上記寄付について収入として政治資金収支報告書に記載しなかったのであるから、虚偽記載罪も成立する。
*政治資金規正法の罰則規定としては法第二十六条の二が「次の各号の一に該当する者は、三年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。」として「第二十二条の三第六項、第二十二条の五第一項又は第二十二条の六第三項の規定に違反して寄附を受けた者(団体にあつては、その役職員又は構成員として当該違反行為をした者)」である。
それにしても、以前の記事で書いたように、自民党へは気持ちばかりの心づけ(10万円ちょっと)しか出さないのに中国へは7億5000万の寄付をしているというのは露骨に誰の方を向いているか示しているようにも映る(ただし、いずれも確認されただけの金額にとどまり実際はより多額な可能性がある。例えばだが、中国本土へのビジネス上の投資などは、7億5000万円の寄付に数えられないだろう。)
資金移動の構図で言えば元は日本人の懐からの(NHK受信料経由や統一教会の霊感商法による)集金が、統一教会フロント団体やNHKの賃貸料を経て、極めて多額が中国本土へ移動している傍らで、日本では形だけ、中国への寄付のほぼ7000分の1の額の10万円ほどの資金が自民党に移動しているわけである(この寄付は違法である可能性は前述したが、政府与党への違法な寄付を行っておくとそれだけで相手方の「弱み」をスキャンダルとして握り、影響力を行使できる)。
民族、出自で差別をするつもりはないが、報道と振る舞いを見る限り汪近明氏は、日本にいてもその心は中国本土への強い思いに満ち満ちていることは明らかである。なお汪近明氏の出自について、かつて日本が戦前に中国に対する調略として、傀儡政権を樹立した際に重要な役割を果たした人物が含まれる可能性がある(汪近明氏の母が溥儀の乳母(「氏」はわかるものの「名」だけ不明)と同じ姓である)。
それにしても故郷では公共心に溢れる偉人とされる汪氏が、日本では統一教会などの汚れ切った金を受け取って財をなしそれを中国本土に送っていたというのは、在日華人の面子を汚す振る舞いとなるだろう。中国政府が「邪教」扱いをしている団体のフロントの大家が華僑であるというのは、日本と中国同士の国際親善にも決して好ましくはないという意味で、中国人にとっても身内の恥ではないか。王海汐明氏へは、あるところにある(同社のホームページではない)問い合わせフォームから、国籍などについて質問を行なっているが今のところ返信はない。
【8月24日アップデート】勝共連合が「渋谷宇田川ビル」へ入居したのは昭和51年であったことが総務省HPの政治団体名簿から確認できた。山手商事が売買で宇田川ワールドビルを購入した旨の登記がなされたのは昭和52年8月26日なので、勝共連合がテナントに入っているビルを山手商事は購入したことになる。なお勝共連合と同じフロアにスパイ防止法制定促進国民会議が入居したのは、平成20年3月6日である。
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