自民党の東京都宅建支部に政治献金していた渋谷区の不動産会社アーパスプロパティ社の役員一族が、華僑だったことが分かった。彼らは「汪」または「王海」などと名乗る一族で、以下ではワンなどとする。このビルは、いずれも統一教会関係フロント組織の「スパイ防止法制定促進国民会議」や「国際勝共連合」が9階に入居している。
(「日本華僑紳士録」より。出版は1993年で華僑新報社が発行。汪近明氏の名が確認できる。娘の「汪賢」は氏名変更手続きを経て現在「王海汐明」を名乗るアーパス社代表。)
まず王海汐明氏はかつて「汪賢」と名乗っており、汪近明氏は彼女の父親だ。この一族は都内の高級住宅街の、外国大使館も軒を構えるエリアのに大きな一戸建ての住宅に居を構える。安倍晋三元総理の自宅や麻生太郎氏の自宅からも、歩いて数分間のスープの冷めない距離だ。
しかし問題になる政治活動が2つある。まず、自民党支部への寄付であり、組織再編の前に一族は別の社名(ワングインターナショナルインベストメント社)を用いて、自由民主党東京都宅建支部へ10万3000円の政治献金を行っており、帰化の有無や、資本の注入元、従業員や株主構成も含めた経営実態から、実態が外国系企業とされれば、政治資金規正法違反で、刑事事件となる可能性がある。
(ワールド宇田川ビル、正面玄関の写真。よく見るとビル名の下に「WANG INTERNATIONAL INVESTMENT」とあるが、これはビルを昭和52年に購入したワン一族のファミリー会社で、組織再編手続きを経て現在アーパス社になっている。Wangというのは汪の中国語読み。)
また容疑の2つ目には「スパイ防止法制定促進国民会議」への寄付(家賃の免除による無償の不動産提供)も含まれる。というのはこの団体の政治資金収支報告書(このリンク先をクリックで閲覧可能)を見ると、年間の支出がわずか14万円強で、渋谷のセンター街中心部にあるオフィスビルの賃料としては安すぎるからである(なお国際勝共連合も、政治資金収支報告書で確認する限りは、家賃の支出が明細に書かれていない。)そして政治資金規正法にいう「寄付」には積極的な資金提供のみでなく、債務免除も含まれる。なのでタダで一等地のオフィスや郵便箱を使わせる行為は寄付に入る。
(華僑のビルに賃料なしで入居しながらスパイ防止法制定を叫ぶ、韓国起源の「統一教会」フロント組織の政治資金収支報告書より。)
法人からの寄付については政治資金規正法が制限を行っており、構成員が外国の影響を強く受ける場合には、政党支部を含む政治団体への寄付が禁止される。この趣旨は、外国勢力が日本国内の政治や選挙に介入して、国益を損なうことを防ぐ点にある。そして法の趣旨に鑑みてこの判断は実質的になされなければならない(「逐条解説政治資金規正法」(ぎょうせい)では株主の50パーセントが外国人などである場合に限っているが、本条の趣旨からもまた「主たる構成員が外国人」という文言からも、株式の持分が50パーセントある場合に限らず、はより広範な場合に総合考慮がされるべきである。)。
(「逐条解説政治資金規正法」(ぎょうせい)出版より。この法22条の5違反にはこのリンクの通り刑事罰がつく。)
中国語報道によると「鋼はどのように作られるか~安慶の「中国の善人」丁磊の偉業を解説(5)」という2021年6月17日付の報道によれば、「在日華僑の王金明氏(編集部注:原文は「汪近明先生」)は淮寧県出身で、父は1920年に来日し、万江の華僑の中でも名門で、かつて万江華僑協会を組織し、会長を務めていた。王金明さんは日本で生まれ育ちましたが、両親の言動により、中国文化に精通しているだけでなく、祖国と故郷を愛しています。王金明氏は、「中国は私の祖国です。私は日本で育ちましたが、自分が中国人であることを決して忘れず、日本国籍を取得したこともありません。私の心は常に祖国とつながっており、私の愛は常にあります。祖国に結ばれています。王金明氏は主に不動産業界に従事し、王国際投資会社の会長です。1997 年以来、彼は故郷を 5 回訪れ、学校、橋、道路を建設するための資金を寄付しました。」などとされる(見出しと本文はGoogle翻訳による)。
淮寧県は原文では「怀宁县」で、正確な日本語表記は懐寧県であり、中華人民共和国安徽省安慶市に位置する。従って、記事冒頭の紳士録にある汪近明氏が彼と同一人物と考えて良い。そして2021年時点の記事で汪近明が帰化していないとすると、同居の娘が代表取締役であったワングインターナショナルインベストメント社時代に自民へ政治献金した平成30年(2018年)時点でも当然に「汪近明先生」は中国人である。