新宿区が区立施設内で現在掲示しているポスターで「平和大使」の育成に貢献などとする事業の紹介をしていることがわかった。
ひびきは一見無害そうだが、「平和大使」というのは統一教会系フロント団体「平和大使協議会」(リンク先はウィキペディア)の説明によると、UPF(Universal Peace Federation)が任命するという。そしてこのUPFは文鮮明(統一教会の教祖)らが 2005年9月に創設した団体とされる。
(新宿区ホームページより)
さらに新宿区はホームページ(リンク先PDF)で公表している事業の中でも「平和大使」の証を与えるなどと謳っている。サイト上の区の説明によると「平和派遣事業」というイベントに参加した親子らにこの称号が授与されるという。
もしこれが統一教会系の平和大使であるなら、区が大々的に統一教会の事業にお墨付きを与えていることになる。また逆に関係がないとしても、統一教会の行っている催しや使用している名称と同じ語句を行政が肯定的に使ってしまうと統一教会の事業を新宿区が促進してしまいかねない。
(リンク先の説明は統一教会系団体の平和大使協議会ホームページより)
新宿区が平和大使の称号を使い始めたのは区のホームページによると平成20年(2008年)とある。そして文鮮明ら統一教会関係者が「平和大使」の名称を使い始めた時期は2005年であるので時期的には近接しており、新宿区が統一教会の後を追ったふうな形である。
いずれにせよ、新宿区としては、この平和大使が統一教会と関係あるならば、それと関係する事業は行うべきでないし、統一教会と関係がない場合にも「特定の宗教団体やそれを支持する民間団体とは関係ありません」という断り書きをつけて、新宿区版の平和大使を紹介する方が好ましいと言える。現在、新宿区にはこの平和大使の育成や称号の付与などについて統一教会と関係がないのかどうか、問い合わせ中である。
・以下、山上徹也氏による安倍晋三氏射殺事件を受けて書かれた統一教会に関する関連報道リンク
NHK、統一教会入居の華僑所有ビルについて賃貸借契約を締結 情報公開請求で確定
渋谷区松濤の現統一教会本部 来歴は隣の「栄光ゼミナール」創業者の土地から分筆登記 古地図と登記簿から判明
自民の下村博文 統一教会本部土地の元オーナー 「栄光ゼミナール創業者」著書へ推薦文 なお栄光ゼミナール社は渋谷区松濤で70年代開業の過去をHPで触れない処理 「電話帳」と照合で判明
NHK・統一教会の同居ビルオーナー元の名称は「山手商事」 昭和の宅建業免許番号で判明
NHKと統一教会関係団体が「同居」ビルのオーナー社長 「汪賢」から「王海汐明」氏へと個人名を「改名」の手続が登記簿で判明 ビル担保に33億融資を借受け カジノで知られるネバダでも事業展開
渋谷区松濤の現統一教会本部 来歴は隣の「栄光ゼミナール」創業者の土地から分筆登記 古地図と登記簿から判明
統一教会へ祝電の山本左近文科政務官 両親から政治団体経由で4000万円を受け取り 年内直後に団体解散で贈与税回避の効果
統一教会と関係の井出庸生文部科学副大臣 山上徹也容疑者の母がのめり込んだ「実践倫理宏正会」に政治資金で会費支払い 倫理法人会の顧問も就任 合計35万4000円支出
関連記事リンク 簗和生(やなかずお)文部科学副大臣 3年でガソリン代326万円・地球7周分を支出 月額18万円超も
関連記事リンク 高市早苗議員、政治団体からHP関係費などで奈良新聞グループへ129万円超を支出ーー新聞社の経営と報道に利益相反の問題
関連記事リンク 高市早苗大臣の奇妙な政治資金 3年間で460万円・地球10周分ガソリン代を支出 一度に23万円の給油も