なお、実は大田区の自民党のスキームはさらにこっていて、いったん①別人が代表をしている自民党の太田総支部に寄付して地方議員が寄付金控除可能な措置を執った後で、②太田総支部から、自分が代表の自民支部へ寄付してもらうという技巧的な手法もある。
例えば平成25年の一例を見てみよう。①自民党の太田総支部は政治献金を神林茂都議会議員から36万円もらう。そして②神林議員は、太田総支部から自分が代表の自民党東京都大田区第七支部に、110万円の寄付を受ける。これで、神林氏は自分で自分に寄付をしたのと同じ処理を使えて、最大3割の寄付金控除を受けることが出来るわけである。
(自民党太田総支部の平成25年政治資金収支報告書より。総支部へ献金している人間には、他の議員も目立つ)
同じ事をグループ企業でやって会計処理を循環取引で節税すれば、税務署からそんな会計はあり得ない、と言われて追徴課税を食らいそうだが、まだ政治家だと税務署を気にせず出来るようである。
(自由民主党東京都大田区第七支部の平成25年政治資金収支報告書より)
この迂回献金による節税スキームは、話がとてもややこしくなるため、また別途あらためて記事化する。なお、東京都内自民党の政治資金収支報告書(東京都選挙管理委員会HPに掲載)は、この下のリンクからだれでも閲覧することが可能である。
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【江藤貴紀】