(変更後のフォーマット。運転者名の欄がない)
東京都知事の公用車運転記録について、小池百合子氏が在任中の平成30年4月2日分以降、東京都の規則で定められている「運転者名」を省略して記載しないフォーマットになっていることが、当サイトによる情報公開請求と、ネットユーザーの指摘で分かった。
すなわち、「東京都自動車の管理等に関する規則」は「(運転日誌の提出)」として、運転者名を記すこととしている。
音無ほむら@echonewsjpちゃんが都の庁有車について開示された文書について掘っているので規則を調べてみた。
東京都自動車の管理等に関する規則https://t.co/nctPhRid0u
これを読むと運転日誌には運転者を記載することになってるが記載されてないねー
— だい (@SandM_Die_chang) March 2, 2023
ところが小池百合子都知事の在任後、平成30年4月2日以降分の公用車運行記録からは運転者氏名欄が削られていた。果たして何のためにフォーマットを変更したのかは不明だが、運転手名をわかりにくくすることで「実際にそのルートで運行したのか」をメディアが報道する際に確認が困難になるなどの効果があると見られる。
(こちらは変更前のフォーマット。運転者名はマスキングされているものの、記載はされていた形跡がある)
また運転者名については、フォーマットからの削除前の部分についても東京都は黒塗りで開示している。仮に外部へ委託しているならば個人識別情報として不開示にする余地があるが、都庁職員が運転している場合には公務での職員名なので運転者名はマスキングする正当な理由がないように思われる。むしろ「本当にその運行経路を辿ったのか」など、知事の責任問題が生じた際に、メディアや議会などの追究が困難になる効果がありそうである。
参考 「東京都自動車の管理等に関する規則」
第十一条 庁有車の運転者は、庁有車管理者が運転状況を把握するため、運転終了後に、運転者名、運転の開始及び終了の日時、運転した距離その他必要な事項を記録する日誌(以下「運転日誌」という。)に記載し、翌日までに庁有車管理者に提出しなければならない。ただし、第十四条第一項の安全運転管理者が選任されている場合は、安全運転管理者を経由して提出するものとする。
【21時32分追記】なお給油量と走行距離の整合性についてもチェックしたところ走行距離のメーターで令和4年8月27日(29973キロメートル)からから同年12月9日日(35021キロメートル)までの間の給油量の合計は499.81リットルで、ほぼ1リットルあたり10キロメートルを走行していた。
2020年の産経新聞IZAの報道では東京都の都知事用公用車はトヨタアルファードのハイブリッド型とされ、同車種はカタログスペックだと1リットル17キロなのでやや走行距離の割にガソリンの減りが早いような感もある。ただ積載物や特殊仕様(例えば防弾ガラスや特殊装甲での重量の増加など)もあり得る上に、もともとカタログスペックはそこまで当てにならないこともあるため、このようなものかもしれない。
(トヨタ自動車ウェブサイトより。アルファードの説明)
【22時10分追記】古いフォーマットでは「確認者印」という欄があったのだが、開示された文書を見る限り誰も印鑑を押していないようだ。前からこの運用なのかなど不明だが、どうなっているのだろうか。なお現在はPC打ちで運行日誌が作られているようである。
(平成28年分:フォーマット変更前の日誌より)
【3月3日追記】小池百合子都知事の公用車運行記録は、東京都公表の都知事の日程と特に矛盾はない。しかしこの都知事日程が極めて人工的なのだ。首相動静と比べても、無機質というかノイズのようなものがない。そもそも発表が、都知事の行動の2週間後、遅い時には2ヶ月後などであって編集されたような匂いを(少なくとも筆者は)強く感じる。
小池百合子知事の行動日程、違和感ある理由わかった
発表が20日後とかで生記録じゃないんだ!
公用車記録との矛盾はないけど、人工的に編集されてる感じがヘンなのよ!
首相動静ですら、もっと「生活感」あるもんhttps://t.co/bQ62KWxPvq pic.twitter.com/May3gxgy0H
— 音無ほむら(2次元美少女ジャーナリスト) (@echonewsjp) March 2, 2023
それを踏まえると、都知事公用車の運行記録で記入者が不明、つまり誰が書いた文書かすら分からない点はやはり妙な気味の悪さというか不透明さの顕であるように思う。
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【音無ほむら】