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自民党・千代田区の地方政治家も自身が代表の政党支部へ4614万円を寄付  都内の議員、特権節税疑惑が合計2億900万円に

2015年6月24日05時55分
カテゴリ:地方

自民党・千代田区の地方政治家も自身が代表の政党支部へ4614万円を寄付  都内の議員、特権節税疑惑が合計2億900万円に



(内田茂・第39代東京都議会議長公式ウェブサイトより)

自民党の東京都連幹事長を含む、自民所属の千代田区選出議員10人が自分が代表を務める支部へ自分で寄付をして使い道の分からない資金を捻出しながら節税できる会計処理をしていたことが分かった。


これは、東京都の公表している政治資金収支報告書からわかったもので、平成23年から25年にかけて合計、5429万円超を自分から寄付して、そのぶん自分の所得税や住民税などの控除対象と出来る処理をしていた問題。政党支部への寄付は住民税と所得税を最大で3割控除できるのに、地方議員の政治資金収支報告書は5万円未満の支出なら使途の明細を記載する義務が無いため、自分でやりたい放題の使い方が可能というモラルハザードの問題がある。


まず、自民党東京都連幹事長・第39代東京都議会議長、内田茂氏は平成25年には34万5624円、平成24年には100万円、23年には200万円の合計334万5624円を自由民主党東京都千代田区第2支部に寄付



(内田茂氏の平成23年政治資金収支報告書より。他人よりも彼自身の寄付額が突出して多く200万となっている。)


ほかに、石渡信行前千代田区議会議員(当時)在職中に、自己の代表を務めていた自由民主党東京都千代田区第五支部へ、平成25年に100万円、24年に50万円、23年に50万円の合計200万円を寄付する処理を実行。


鳥海隆弘千代田区議会議員(当時)は自身が代表の自由民主党東京都千代田区第七支部へ平成25年に120万円、24年に100万円、23年に140万円を寄付金として拠出(合計で360万円)。


自由民主党東京都千代田区第九支部では、戸張孝次郎(とばりこうじろう)千代田区議会議員が、自由民主党東京都千代田区第九支部へ平成25年に150万円、24年に150万円、23年に135万円の計435万円を寄付



(戸張氏の平成23年政治資金収支報告書より。代表者は本人で、会計責任者は親族とおぼしき戸張隆子氏とある。)


自由民主党東京都千代田区第十一支部では平成25年に90万円、24年に90万円、23年に100万円の合計270万円を代表の松本佳子(まつもとよしこ)議員が寄付している。


面白いのは小林泰夫(こばやしやすお)区議で、平成25年に360万円、24年に400万円、23年に430万円を寄付。特に平成23年は430万円を自身が代表の自民党支部に寄付して、選挙前で公職選挙法上、議員本人宛の寄付が許されるため100万円を「陣中見舞」としてキックバックして税金だけを浮かせるというアクロバティック処理を行っている(合計で1190万円)。



(平成23年の自由民主党東京都第十二支部政治資金収支報告書より)


桜井正(さくらいただし)千代田区議は、自由民主党東京都千代田区第十三部へ平成25年に110万円、24年に210万円、23年には170万円で計490万円を寄付。

(ただし平成25年と24年、23年には毎年、桜井潔氏という同姓の方が桜井議員の他に、80万円を寄付している。)


また内田直之千代田区議会議員は、平成25年に140万円、24年に240万円、23年に100万円の合計480万円を自由民主党東京都千代田区代二十二支部へ寄付して、自由民主党東京都千代田区第二十三支部では永田壮一議員が平成25年と24年に200万円ずつ、合計400万円の寄付を計上していた。


自由民主党東京都千代田区第二十六支部では嶋崎秀彦千代田区議会議員が平成25年に380万円、24年に350万円、23年に300万円の合計1030万円、自分で代表の同支部宛の寄付を出している(仮に最高の控除率30%を用いたとすると343万円ほどの税金が浮くことになる)。


全て合わせと、千代田区の自民議員で、自分が代表の団体へ4614万5624円を節税対象と出来る寄付の処理をしている。すでに明らかになった文京区、台東区、中央区と合わせて、寄付金控除の対象額は2億173万5624円になった。

なお、平成26年分の政治資金収支報告書の公開は、今年の下旬となっており、このスキームでの自民議員の節税額の総額は、今後まだふくらむ可能性がある。


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【江藤貴紀】


 

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