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【パナマ文書】「ヒュンダイ」が、パナマの法律事務所・モサックフォンセカ顧客リストに記載。現時点で韓国「現代」グループとの関係は不明

2016年4月25日16時24分
カテゴリ:外信

【パナマ文書】「ヒュンダイ」が、パナマの法律事務所・モサックフォンセカ顧客リストに記載。現時点で韓国「現代」グループとの関係は不明



タックスヘイブンとして知られるパナマ国の法律事務所「モサックフォンセカ」の顧客リスト・データベースの中に韓国現代グループのアルファベット読みである「HYUNDAI」と付いた企業があることが本紙の調べで分かった。発見されたのは「HYUNDAI DEL ECUADORZONA FRANCA INC.」という企業。


ただし、このHYUNDAIの事業実態があるかどうかについては、ある程度の慎重な考慮を要する。すなわち、事業実態が「ある」ことを推認させる要素としては、役員が複数企業のかけもち(ペーパー役員)ではないという点が挙げられる。





(2名の同社役員について、後掲のパナマ法人データベースから検索した結果。いずれもヒュンダイ以外の役員は兼務していない専任である。)

また、NHKやNIKKEI、DENTSU等と異なり、「HYUNDAI PANAMA」でグーグル検索すると、現地の自動車関係法人のツイッターアカウントと、Facebookページがヒットする。


従って、ヒュンダイグループが、パナマで事業を行っていること自体も確かである。ただし、それからただちに、「HYUNDAI DEL ECUADORZONA FRANCA INC.」が「租税回避目的で利用されていない」とは断定できず、この点はオープンな問題である。まず、モサックフォンセカ顧客企業名の「HYUNDAI DEL ECUADORZONA FRANCA INC.」でGoogle検索した場合には、コーポレートページが全くヒットしない(前掲のツイッターおよびフェイスブックアカウント名でヒットする社名は「HYUNDAI PANAMA」である)。



(「HYUNDAI DEL ECUADORZONA FRANCA INC.」で出てくるのは10件のみ。)


なので①ヒュンダイがパナマでビジネスを実際に行っていることは確かでも②「HYUNDAI DEL ECUADORZONA FRANCA INC.」が韓国の現代財閥と関係あるかどうか、および③同社が何を目的として設立された会社かという点については現時点で断言できない。


加えて、①仮に現代グループの一社として現地で事業をやっていて、完全なペーパーカンパニーではないとしても、②それが直ちにタックスヘイブンの利用目的で使われているという可能性を否定するものでもない(この2つの方法で現地法人を利用することは両立する可能である。)。


だが結論として、現時点で入手可能な以上の情報に鑑みる限り、事業実態がほぼなさそうなNHKやNIKKEIを冠したモサックフォンセカ顧客企業(いずれも、日本のNHKおよびNIKKEIは関連を否定)よりはまだ、租税回避(ないし、マネーロンダリング)目的での現地法人である可能性は低いと言える。


なお、日本では朝日新聞社が電通およびNHK名称の付いた「DENTSU SECURITIES INC.」と「NHK GLOBAL INC.」(それぞれ、リテラ記事と弊紙がはじめに報道)と日本の電通およびNHK本体との関係についてNHKと電通のみの、具体的に理由を付さない否定証言を元にパナマ文書関連の「風評被害」で「被害」を受けたと断言している(ならば論理必然的に、本紙とリテラはNHKと電通への「加害者」ということになる。だが、風評被害であるという確証は朝日においてどうやって取ったのだろうか)。


もしも海外企業にも、朝日新聞社がフェアな扱いをするならば、ヒュンダイについても早速のところ広報部のみの証言ををベースに先行報道の内容に対するSNSの反応を「風評被害」と断定する記事が欲しいものである。


*ただし朝日新聞記事では「DENTSU SECURITIES INC」と「NHK GLOBAL INC」となっており、固有名詞について誤記が見られる(筆者の知る限り、incorporatedで、会社を現すばあい普通「Inc.」として末尾にピリオドが来るという約束事があるが、何か朝日新聞においては特別にピリオドを抜かないといけない判断(例えば文末のピリオドと記者が勘違いしたなど)があったのだろうか)。



(報道の正確性について問題提起を行う、「.」が抜けた朝日新聞の記事。「虚構新聞」で出たシャープの「。」が脱落した記事を模倣しているわけではないようである。)


もし今回の事案も報道するならば元の文書にあった「INC.」のピリオドを、朝日新聞がどう扱うのかが気になるところである。なお、モサックフォンセカの顧客「以外」も掲載しているデータベース「opencorporates.com」を参照すると、モサックフォンセカの顧客企業以外にも他にも多数のHYUNDAIが見つかるが、これら全てに事業実態があるのかどうかなどは不明。


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【江藤貴紀】


 

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