パナマの法律事務所、モサックフォンセカから顧客リストが漏洩して、マネーロンダリングの疑いでアイスランドの首相が辞任に追い込まれたり、ロシアのプーチン大統領が数千億円の不正な蓄財を友人名義などで行っていたという疑惑が噴出したパナマ文書の中に、「NHK GLOBAL INC.」 という法人名が見つかった問題で、同社との関係について広報部「堀美佐」氏へ質問していたところ、無回答を貫いていたNHKの、広報部ではなくカスタマーセンターからパナマ法人との関係疑惑について返答が得られた。
まず4月21日のメールでの回答は「お問い合わせの「NHK GLOBAL INC.」はNHKとは関係ありません。」というもので、4月20日時点でNHKウェブサイトおよび番組内のテロップで流していたのと同内容の文面。
ところが、当初に弊誌が質問していたのは、①NHKおよび子会社とNHK GLOBAL INC.との間に資本関係や取引関係があったかどうかである。なので「NHKは関係ありません」というだけのNHK側の返信は、答えとして成立していない。
そこで上記の質問に加えていつ・いかにして「NHKはパナマ法人と無関係という」という調査結果をにたどり着いたかかという点を行うことになった。というのは、大企業における上層部の触法行為などについては、経営陣や一部担当職員以外の一般職員はあずかり知らぬ場合が多いからである(この点は、コーポレートガバナンスに関する不祥事が起きる度に、外部からの人間を加えた第三者委員会などが設置されることからも、よく知られている)。
そして以上の内容について、担当者の氏名及び役職付きでご回答願いたい旨を添えて広報担当堀美佐氏へ4月21日に再度質問したところ、本日に応答が得られたが、質問と齟齬した内容である。
「江藤貴紀 様 お訊ねの「NHK GLOBAL INC.」については、NHK(本体)だけでなく、関連団体とも関係ないことを重ねてお伝えします。NHKふれあいセンター(放送) 本メールアドレスは送信専用のため返信はできません。お問い合わせは所定のメールフォームからお願いします。[パソコン] http://www.nhk.or.jp/css/goiken/mail.html [スマートフォン] http://www.nhk. 」
しかしながら、①この返答ではそもそも誰が返答に責任を持っているのが不明な上に②いかにしてNHKがパナマ法人 NHK GLOBAL INC.と無関係だと結論づけることが出来たかという最重要点については、全く答えていない。加えて言うと、質問においては③NHKおよび子会社との資本関係、取引関係を訊ねていたのに④回答では「NHK(本体)だけでなく、関連団体とも関係ない」となっていて問いに対する返信として、ズレがあると言わざるを得ない。
とくに不明なのは「関連団体」というNHKが出してきた言葉の範囲である。わざわざ、当初の質問にある「子会社」よりもあいまいな語を使うメリットがどこにあるのだろうか。
追記 4月23日付けの朝日新聞記事は、ネット上でNHKとパナマ法人の関係を論じる意見は風評被害だという、NHK広報部の意見がそのまま載っているが、①NHKには都合の悪い質問はカスタマーセンター送りにして②都合のいい記事を書いてくれそうなメディアにだけ広報部マターで対応するというマニュアルでもあるのだろうか。
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