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NHK・統一教会の同居ビルオーナーの旧名称は「山手商事」と昭和の宅建業免許番号から判明

2022年8月21日11時26分

NHK・統一教会の同居ビルオーナーの旧名称は「山手商事」と昭和の宅建業免許番号から判明

NHKが統一教会の関係フロント団体複数と共に、NHKが入居していることで物議を醸している「宇田川ワールドビル」オーナー企業のかつての名称が、「山手商事株式会社」であったことが不動産業界誌の出す年報などから分かった。また統一教会の政治部門「勝共連合本部」が現在入っている宇多川ワールドビルの9階と思しき場所に、かつては別の不動産会社が入居していることも判明した。ちなみに同姓同名の華僑は在日中国人会の大物で、中国本土に7億円以上の寄付もしていた旨が中国の国内報道で賞賛されていることも分かった。以下、詳しく見ていこう。

1996

(「宅地建物取引業者名鑑」住宅新報社発行)1996年版・東日本版より)


1996年の業界誌年鑑によると都知事届出の宅建業者免許番号(3)44292が「ワングインターナショナルインベストメント(株)」(現・アーパスプロパティ社」(以下、アーパス社)であることが分かる。代表者としては汪近明氏で住所は宇田川町12−9、電話3461−1393である。

この電話番号は現在のアーパスプロパティ社も引き続き使用しており、「汪近明」は、のちにワングインターナショナルインベストメントに吸収合併されることとなる「Wang Asset Management」社の取締役であった人物だ。なお「アーパス社」と「Wang社」は取締役の大部分が重複している。東京都渋谷区の宇田川町12−9は、統一教会の報道部門・世界日報社などが入居していた「ワールドビル」の所在地。


山手商事がファクシミリを有さない(あるいはあっても、業界の年報に載せてない)のは特筆して良い(画像にあるようにおおむねの傾向としてこの1996年時点では85%ほどの宅建業者はファクシミリを有して番号を登録している。ファクシミリ全盛期にその番号を書いていないというのは、一見さんお断り的な業者であるかあるいは何もせずとも物件を埋められる自信があったからか、または秘密主義的な部分の反映だろう。同じ傾向はアーパス社にも当てはまり、現在までホームページは有していない。


宅地建物取引業者名鑑 昭和61年版 東日本版 山手商事	汪近明

(同じく宅地建物取引業者名鑑の昭和61年(1986年)版より)


次にこの10年前、1986年の業界誌年間を見ると都知事届出の宅建業者免許番号(1)44292の「(株)山手商事」で代表者が汪近明(発音は「オウキンメイ」、または「ワンジンミン」「wang1 jinming」)住所が宇田川町12−9、電話番号が(市外局番など除いた下7桁)で461−1393と分かる。


宅建業者の番号が44292と同一であることから、山手商事社は後のワング社であると確認できる。なお電話番号の下7桁で「山手商事」社がかつて使用していた電話番号がのちのワング社に引き継がれていることも分かり、また登記簿からは両者で住所や役員の重なりがあることも確認できた(ちなみに「ワールド宇田川ビル」を担保に山手商事が20億円などの融資を受けていた時期があることは、同ビルの登記簿から確認できるのは以前の記事で触れた通りである。)


この「山手商事」については登記簿(会社や不動産などの登録を政府に届け出したもの)を複数のネットユーザーが確認しようと試みたものの(リンク先が一例)、探しきれなかった。なお米国の州政府ウェブサイトからアーパス社が商号として「Kabushikikaisha Yamateshoji」を用いていたことが確認できているのは、過去の記事で触れた通りである。


hawaii yamateshouji wang apas

(ただしハワイ州政府ウェブサイトでアーパス社について調べると、1989年12月1日に名前が山手商事からワングインターナショナルインベストメント社へと変わっているとある。これが日本国内における法人名変更のタイミングと一致するのかは不明)


なお宅建業者番号は()内が更新回数(最初は1で開始する)を表しており、5年単位で更新を受けるたびに番号が1ずつ増える仕組みとなる。またそれ以降は正常に更新手続きを踏んでいる限り変わらない(ただし免許取り消しの行政処分を受けるなどすると、更新できずに新しく免許を取り直すことになる。その場合()の内側はまた1から開始して、それ以降の番号も変化する(詳しくはこのリンク先を参照)。ただし現在のアーパス社は番号が(1)で始まっている。


ところで、「宇田川ワールドビル」の政府への届出情報によるとこのビルは昭和50年9月29日に新築とある。そして現在の9階は統一教会政治部門の勝共連合が使用しているところ、さらに昔は何が入居していたのだろうか。



(宇田川ワールドビルの登記簿より。)


宇田川ワールドビルは昭和52年8月29日に「売買」でワング社が取得しているが、ここで昭和53年版に遡って不動産業界の業界誌年鑑を見ると、宇田川町36−6−900に「協栄商事」という宅建業者が入居していたことが分かる。



(宅地建物取引業者名鑑 昭和53年版(1978)より。ただしこの年間の出版は前年なので情報としては昭和52年のどこかの時点を反映したもの。)


現在まで収集できた資料からは、「協栄商事」が「ワング社」などとどういった関係にあるのか(単なるビジネス上の売買相手であったに過ぎないのか、あるいはそもそも売買すら行っていないのかなど)は不明である。同社はすでに廃業しているが、他の取材結果と総合すると、同社ゆかりの建物は渋谷区宇田川町36−6に今も存在しており、またかつて社長であった人物は港区の一等地に居宅を構えている。NHKと統一教会が同じ建物に同居するに至ったの由来は思いのほか怪異であるようだ。


ちなみに、アーパス社は宇田川ワールドビルの持ち主で、管理業務も行っている。ビル管理というと地味なようだが、実際はドアの開錠・施錠から夜間の見回り、入館者の確認に廃棄書類などのゴミ収集も含む極めて重要なセキュリティ分野である。


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