森喜朗元総理大臣が衆議院議員を引退した後も「国政の候補者」として総務省に届出をしたままの状態で政治資金管理団体「春風会」を有していた問題で、エコーニュースによる批判報道の4ヶ月後の政治団体としての春風会の解散の届けを出したことなどが分かった。会員制雑誌社が(エコーニュース記事には言及しないものの)2019年に解散を報じていた。当サイトの批判報道を受けて、体裁が悪くなったので解散したと見られる。
紐解くと、実は2017年8月に当サイトは「政治資金でコメとトマトを爆買い パック米14300食相当とトマト74万円を3年で購入・・・選挙前後は200万超の食事会を2回の大盤振る舞い」と題する記事を掲載(リンク参照)。公職選挙法や政治資金収支法へ抵触する可能性を記事化。
(2017年エコーニュース記事より。政治家を引退した後にも政治資金で大量の特産品購入などを繰り返す森喜朗氏代表団体の政治資金収支報告書。)
②こちらは、森喜朗氏が代表を努めていた政治団体「春風会」の平成29年度分(解散分)の政治資金収支報告書ですが、正解を引退しているにも拘らず、この段階でも「衆議院議員候補者」として「国会議員資金管理団体」として取り扱っておりました。 pic.twitter.com/nn2wLJVMZ6
— チョックリー(sait)【無党派】 (@cyokuri) February 16, 2021
(Twitterへのユーザー投稿より。春風会の解散が確認出来る。)
なお森喜朗氏については当サイトのアカウントが「森喜朗・元総理大臣のウェブサイトがいつのまにかすごくトロピカルになっている」として2017年8月にツイートしたのちに、時事通信が事実上のパクツイと報道を行ったことも判明した。
森喜朗・元総理大臣のウェブサイトがいつのまにかすごくトロピカルになっているhttps://t.co/t0PoihiAXl pic.twitter.com/c9fmIF6GME
— エコーニュース (@echonewsjp) August 19, 2017
【森元首相の旧サイト】 #森喜朗元首相 の旧公式サイトの #ドメイン が第三者に取得され、英文の別サイトになっていることが分かりました。国会議員の旧サイトのドメインが、所属政党のサイトにリンクを残したまま第三者に取得され、書き換えられていたことも判明しました。https://t.co/5Vph5i9SCz
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) October 16, 2018
(1年遅れでニュースを報じた時事通信のアカウント。出典元のクレジットを意地でも出さないのは、日本のメディアの悪い癖である。大学生のレポートなら剽窃扱いで「不可」が付くだろう。ここで、読者の多い(言い換えると情報の流通ルートで寡占・独占をおこなっている大手メディアがこれを行うと、他の事業者に対する経営上の圧迫になる慣行である。ハフポスもパクリ先を引用しなくてもいいのではないか。)
ところでさらに後日談がある。実は、このエコーニュース記事の続編報道として弊紙のスタッフが、小学館のポスト編集部所属記者から政治団体「春風会」の政治資金収支報告書を調べる仕事を受けて、総務省に春風会の政治資金収支報告書に添付された領収書の情報公開請求をして小学館社に提供した(その分の経費は小学館が持った)のだ。
この森喜朗ネタはいったん、2017年に没になったーーお蔵入りかと思ったのだが、2021年にオリンピック開催前にJOC会長であった森喜朗氏への批判が強まる中、週刊ポストの方はこの森喜朗氏の政治資金ネタを記事化していたのだ。なお小学館の記者と2017年に極めて曖昧な口約束で、記事化の際にもらえるはずだった報酬については、特に入金などはない。
(ポスト側がタダでネタを使うという契約の不履行を事実上したような状態なので)こちらも一つ、小学館の費用で情報公開請求して分かった春風会の政治資金ネタを一つ、書かせていただく。実は左派形出版社の「現代書館」に対して書籍代として直接に数百万円を森喜朗氏代表の春風会が振込んでおり、その振込領収書が情報公開請求で出ていたのだ。
政治家の自費出版であれば、政治団体から書籍費の出版社への振り込みもありえるが森喜朗氏が現代書館から書籍を出すというようなことはなかったしまたあり得ない話である。そのためこの資金移動は何の趣旨で行われたのか不明であるが、まるでかつて55年体制の頃に、自民党の国体委員長から社会党の議員に資金が裏で配られていたというエピソードを彷彿とさせる話である(情報公開請求した領収書のPDFが発見され次第、記事に追加する)。
元総理による革新系出版社への資金の流れに関するこの話題を小学館の週刊ポスト編集部が取り上げなかったこと理由については定かではない(ややマイナーすぎて読者が興味を持ってくれないと思ったのかもしれない)。
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【エコーニュース編集部】