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認定NPO法人フローレンスの分析(6)駒崎弘樹の「外国人参政権」推しとその由来・・・「民団新聞」と「人民日報」で読む田中康夫、公明党・岡本三成の肖像

2025年5月3日20時16分
カテゴリ:外信

認定NPO法人フローレンスの分析(6)駒崎弘樹の「外国人参政権」推しとその由来・・・「民団新聞」と「人民日報」で読む田中康夫、公明党・岡本三成の肖像

かつて右翼のドンと評された笹川良一の設立した日本財団、その現会長である笹川陽一が駒崎弘樹への強い支持を示していたこと、また笹川・日本財団は休眠預金口座活用法を駒崎・田中康夫らに強く推進させていたことを前回記事で確認した。


ところで駒崎弘樹と田中康夫、この異色の組み合わせにはもう一つの共通点がある。それは外国人参政権推進への強いこだわりだ。



まず駒崎弘樹ブログの2020年1月記事、「⾒えない「つらい」にどうアウトリーチする? ⽂京区の20⼈に1⼈いる外国⼈たち」という望月優大との対談で「現在は外国人の人権が大きく制限されている。たとえ日本で生まれ育った人でも、日本国籍が付与されていなければ、就学の義務や出国の自由、選挙権などの「当たり前の人権」を持っていない。いわば「フルスペックの人権」が保障されていない状況だと思います。」と駒崎弘樹は述べており、正面通りに受け取ると日本国籍がなくてもフルスペックで選挙権を含む人権を保障するべきとも聞こえる主張をしている。


だが田中康夫はというと、前回も登場した有田芳生と田中で言い分が180度食い違う。どういうことか。まず田中康夫のツイートを「参政権」で検索してみるとヒットするのは3つで、悪文で読みにくいが、外国人参政権には否定的な姿勢が窺える。


特に2012年3月5日に田中康夫は「当方は外国人地方参政権&選択的夫婦別姓に何れも反対だよ」と明言している。だが一方で有田のツイートを確認すると、新党日本時代の田中は外国人参政権に賛成が基本政策だったとある




では田中と有田、どちらの言い分が真実なのか。結果から言うと有田芳生は正しい。根拠は「韓国民団」すなわち在日韓国人の結成した団体の発行する新聞のバックナンバーだ。田中康夫は民団新聞で在日永住外国人の地方参政権について明確に肯定している。


2007年11月14日掲載記事で曰く「多くの永住外国人の方々が国籍の違いを超えて地方参政権を付与され、私たちの新たな地方自治をみんなで仕上げること。その誓いを新たにする日にお招きくだされたことを感謝します。」だ。


そして実は田中康夫、民団新聞の超常連で、民団新聞の過去記事(ここをクリックした先で検索ワードを入力できる)を彼の名前で検索すると8件の記事がヒットする。



(スクリーンショットを撮ったが一番最後の記事は移りきらないほどである)


田中康夫のコスモポリタン的な主張から考えればそう不思議ではないが、本人はこれまであまり「親韓」的な立場を表に出してこなかったので、民団の常連というのは意外な方も多いのではないか。(民団と親密であることと、「親韓」はイコールではないもののかなり政策的に距離の近い話である)。どちらかというと本人は2022年8月28日の安倍晋三氏暗殺事件後も統一教会を強く非難して、「親韓」イメージは持たれないようにしていた節すらある(例えば、2022年7月24日の「安倍晋三の国葬に異議あり 「反日邪教」を持ち上げた偽りの「保守」《田中・浅田》「憂国呆談」第3回【Part1】」参照)。


ただし、同記事で田中康夫は日本財団創設者で統一教会を日本に事実上招き入れた主役一人、笹川良一について以下の通り、長く叙述している。「ベニート・ムッソリーニを信奉する「大衆右翼」を自負し、右翼団体の「国粋大衆党」を戦前の1931年(昭和6年)に結党した笹川は、敗戦後は競艇事業を担う全国モーターボート競走会連合会(現在の日本モーターボート競走会)の収益金を元手に日本船舶振興会(現在の日本財団の前身)を創設。「私は日本で一番金持ちのファシストだ」と1972年に米誌『タイム』で答えている。出生地の大阪府箕面市の名誉市民でもある彼は、言われなき迫害を受けたハンセン病患者の救済にも力を注ぎ、良くも悪くも端倪(たんげい)すべからざる毀誉褒貶(きよほうへん)喧(かまびす)しき人物ではある。」


さすがに休眠預金活用事業でガッチリとタッグを組んでいた日本財団に対して、悪様に罵るのは憚られたのだろうか。田中が笹川について統一教会事件直後も「毀誉褒貶」との表現で逃げを打っているところは興味深い(2022年の時期に笹川を叩かなかったことは、「シンパ」ですらあるという評価も可能かもしれない)


外国人参政権に話を戻すと、田中康夫は少なくとも2000年代には、地方自治体についてのそれを強く推進していたことは確かだ。田中のツイートは現在形で書かれているので「この時点だと僕はこう思う」という意味では嘘ではないかもしれないが、彼がなぜポジションを変えたのかは(あるいはどういう意味で今は外国人参政権に反対となったのか)は分からない。


公平のために言えば、民団へのゲストスピーカーはおおむね外国人地方参政権に前向きで、あとまた政党も田中の新党日本だけでなく、自民、民主、公明、共産、社民から満遍なく参加している(例えば2009年1月14日掲載の「<民団中央新年会>力合わせ経済・組織活性化」を参照)。要は各党に外国人参政権賛成の人間がかなり満遍なく分布している。ただし自民党の来賓は山口選出の河村建夫・元官房長官であるなど「親韓派」とはっきりわかる人間が多い。


ともかく、休眠預金と外国人参政権の2点において、2010年に内閣府の「新しい公共」調査委員になった駒崎の手本は、前回引用のペログリ日記に象徴的なように田中康夫と言って良いのではないか。


ただ現在ーー2020年以降ーーの駒崎弘樹に田中康夫の接点は見出し難い。そしてまた田中が推進していたのが地方レベルでの参政権であるのに対して、駒崎弘樹のそれは「フルスペック」と表現されるように、①少なくとも地方参政権は必ず含み、②素直に読めば国政の参政権も含む内容である。では駒崎弘樹が参政権といった場合に保障されるのは、①どんな外国人の参政権で、②それを実現するための国政ルートはどこにあるのか。


前段の答えからいこう。先ほどの記事の文京区の例でいうと半数以上が中国人である。自治体ごとに国籍構成は変わるが、中国系外国人が現在の日本における在留外国人のマジョリティであることは広く知られている通り、全国的傾向だ。



(東京都HPより)


では問いの後半、働きかける政治的ルートはどこになるのか。「誰でもできるロビイング入門~社会を変える技術~」の共著者でもある駒崎弘樹の言動を見れば、明白に公明党・創価学会ルートがロビイングの主軸の一つだ。


例えば、創価学会系の雑誌第三文明には駒崎弘樹原案の漫画が連載中で、本人も同誌を定期的にツイートで宣伝している。




そして公明党の中でも、特に衆議院議員、岡本三成とは公私に渡る交友を駒崎氏は明らかにしており、選挙の応援弁士としてマイクを握った様子もYouTubeの岡本みつなりチャンネルに残っている。これに関してはNPO法人と政治的中立性の攻め筋での批判があったので覚えている方も多いかもしれない。



中国からみた場合も、日本政治における友好勢力の代表格は公明党である。ちょうど岡本三成議員の単独インタビューが掲載された「人民日報海外版日本月刊」記事があり、これを見ると「公明党は、歴史的に中国との友好関係を最も強く主張してきた政党である」と評してある。人民日報は中国共産党中央委員会の機関誌なので、その記載は中国共産党の公式見解と言える。


まとめ上げると、駒崎弘樹氏は休眠預金のみならず外国人参政権についても、彼とともに日本財団と関係の深いと評価できる田中康夫氏(の少なくとも2000年代の態度)と軌を一にしていたが、いま駒崎氏が求めているのは田中康夫が主張していたよりも強力な参政権と見る余地がある。そして彼が保障する外国人の人権保障で最も利益を受ける蓋然性が高いのはその員数からして中国系であり偶然にも、彼の政治的朋友、岡本三成氏とその公明党は特に中国政府の覚えがめでたい。逆に言えば公明党岡本氏の中国政府からの評価の高さは、部分的にはシンパである駒崎弘樹氏による、事実上の在日中国人の人権保障に関する提言によるものかもしれない。


付記:民団新聞での田中康夫氏の記事についてはX上で「うさぽん」氏からとても直接的な示唆をいただいた。


追記:創価学会については60年以上前の時点でCIAがとてもまとまったリポートを出している(ほむらツイートのリンクからCIA文書へはジャンプ可能。ただその際はナショナリスティックな性格が強調され、警戒の対象になっていたが今の創価学会は外国人参政権に関する態度等から、当時CIAが危惧していたのとはまた違う方向に進んだようだ。


追記2:「日本国籍が付与されていなければ、就学の義務や出国の自由、選挙権などの「当たり前の人権」を持っていない」と駒崎氏はいうが、就学の義務は「義務」であり権利というのはややおかしい。

あとまた実際には日本在住の外国人でも希望すれば子弟に学校教育を受けさせることができる。出国の自由については外国人にも最高裁は肯定に解している。となると例示された残りは「選挙権」の有無の問題に行き着くわけである。




【江藤貴紀】


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