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認定NPO法人、フローレンスの分析(1)「慈善事業家」駒崎弘樹、寄付者アンケートから見るその信念:敵は「あしなが育英会」と「国境なき医師団」

2023年10月21日12時41分
カテゴリ:国内

認定NPO法人、フローレンスの分析(1)「慈善事業家」駒崎弘樹、寄付者アンケートから見るその信念:敵は「あしなが育英会」と「国境なき医師団」



(駒崎弘樹Twitterアカウント・プロフより)


国内最大級の認定NPO法人にして与党・野党問わずに影響力を強く発揮している駒崎弘樹というNPO法人の代表者がいる(ウィキリンク参照)。20代時代からメディア露出も盛んなため、名前についてはご存知の方も多いと思う。


慶應大学SFC時代にITベンチャーを立ち上げ、その後に保育事業のNPOに進出、現在は10億単位の内部留保を抱えており、一部上場企業の執行役員ぐらいの給与は得ていると豪語する、ある種の立志伝中の人物だ。




彼のビジネスはざっくりというとNPOとして①寄付金型(メディアにアピールして寄付を得る。ウェブ広告なども使って広告で集まったお金を広告に回してまたお金を集まるなどする)②事業型(保育施設運営など)の二本立てである旨を著書でも書いている。また、片親・シングルパレントの苦労を強調する。





だが一方で、離婚後の養育については(離婚した相手からの危害の可能性、という抽象的にすぎない理由を持って、あるいは特殊な著名人のスキャンダルをひたすら拡散して)、片親に任せようーーー言い換えれば自らのNPOのマーケットを「維持しよう」としているかに見える、巧拙な人物だ。




フローレンスウェブサイトより。22億の内部留保を持つジャイアントNPO法人である)


公明新聞によく登場したり、また著書の中で公明党系議員を褒めちぎることから、一部では公明党シンパという評価もある。しかし、ことはそう単純ではない。彼の人生、実はなかなか破天荒で父親がイスラエルおよび米国と極めて縁がふかかったりする。父とは疎遠というが本当にそうかは分からない。


ただ彼の主観に踏み込むのは困難であるため、今回は彼の経営するNPO法人フローレンスの経営方針を探る。具体的にはフローレンスの寄付ページから筆者が実際に寄付を行った後に登場してきたアンケートページから彼が「競合」とみなしていると思われる団体を挙げて、その信念を推認することにする。




やはりフローレンスウェブサイトより。40億円の売り上げ(会社で言うと)がある。「私たちは社会課題解決のために、その利益を次年度以降の投資に使っていきます。」と書かれているが駒崎弘樹氏の、大企業執行役員並みの収入がなんの「社会的問題解決」の役に立つのか、筆者には分からない)


結論からいうと、彼はマーケティング至上主義の申し子だ。いかに寄付を得るかに腐心すると、とあるNPO法人経営者は言っていたがまさしくそれだ。また書いている著書も寄付とロビイングに関する内容が極めて多い。いわば日本最強クラスの「ロビイスト」といえよう。はて、それでは具体的にフローレンスのアンケートを公開して、見てみよう。以下、読み上げる。



「フローレンスご寄付アンケート

フローレンスに温かいご支援を託していただき、誠にありがとうございます。 どんなきっかけや想いでフローレンスを知っていただいたのか、弊会にどのような期待をして下さっているか、ぜひお聞かせください。 寄付者の皆さんと共に活動をより良いものにしていけることに、フローレンススタッフ一同心より感謝しております。 ※いただいた内容は、個人情報を特定できない形で広報活動に使用させていただきます。

姓* 名* 江藤 貴紀

メールアドレス *

生まれ年 * 1980

性別 * 男 女

Q1. 今回の寄付をするより前にフローレンスを知ってましたか? * 以前より知っていた

今回の寄付を検討して知った

Q2. (Q1で「以前より知っていた」と回答した方のみ)最初にフローレンスを何で知りましたか? * フローレンスの支援・サービスを利用していた

必要な支援やサービスを調べている時に知った 新聞やテレビ、WEB媒体などメディアを通じて団体や活動を知った 駒崎弘樹の著書や発信をきっかけに団体を知った WEBのニュースや記事を見た TwitterやfacebookなどのSNSで見かけた 友人知人から紹介された 興味関心のあることをWEB検索で調べたときに初めて知った WEB広告で知った

その他(フリーコメント)」


ーーまずQ1、Q2からはフローレンスという団体を「どのきっかけで認知したか」が問われる。マーケティングは筆者の専門ではないが「自社の広報がどのように消費者(この場合は寄付者)にリーチしたかを確認するのは、広告の基本である。


Q3. 寄付を検討した理由・きっかけを教えてください *

日本の子ども子育て環境全般の向上に貢献するため

特定の社会課題を解決したいため

社会貢献全般に興味関心があるため

節税や税制優遇など金銭的な理由から 知人友人に勧められたため 心動かされる報道や情報に触れて何かせずにいられなかった フローレンスの活動や事業に共感したため

Q4. 寄付先としてフローレンスを選んだ理由を教えてください(最大3つまで) * 子ども子育て領域で総合的な成果を出しているから

支援したい特定の事業・活動があるから

日本最大規模の認定NPO法人で信頼できるから 駒崎弘樹に共感したから フローレンスのスタッフに共感したから 友人知人に勧められたから 政策提言や新たな価値観発信を行い、社会的影響力があるから フローレンスという団体の思想と価値観が好きだから 税制優遇が受けられるから

その他(フリーコメント)


ーーーQ3、Q4では寄付のきっかけを尋ねられる。任天堂ですらそこまでやるかというほど根掘りさほり聞いてくる。あるいは岸田文雄、麻生太郎といった総理クラスの政治家の政治資金パーティですらここまでは徹底していない(逆にいうと駒崎に比べて、「金集めの努力が甘い」のではないかというぐらいの徹底ぶりだ)




(同じく寄付者アンケートより)


Q4-1. (Q4で「支援したい特定の事業・活動がある」と回答した方のみ)支援したい事業・活動を教えてください ひとり親家庭の孤立防止と経済的な支援活動

子どもの虐待・新生児遺棄を防ぐ活動

障害児・医療的ケア児家庭支援事業

子どもの貧困と孤立を防ぐ伴走型支援事業(子ども宅食や相談支援事業)

病児や多胎児のための訪問型保育事業

地域の子育てに伴走する保育園事業

DVや予期せぬ妊娠、精神疾患に悩む女性の支援活動 政策改善や世論形成などを実現する提言活動


ーーーQ4の1は白眉だ。おそらく、ウェブ広告で寄付厚めをする際の効果的なキーワードやバナー作成の参考にすると見られる。しかし筆者は逆に「駒崎氏は金を集めるのがまずありきで、どのような社会問題を解決するかは2の次ではないか」という疑念を深めてしまうのだが。


Q5. フローレンス以外に比較検討した寄付先や既に寄付した団体を教えてください

国境なき医師団 ユニセフ カタリバ プラン・インターナショナル WFP むすびえ その他(フリーコメント)

Q6. ご意見・ご感想などご自由にご入力ください

アンケートのご協力ありがとうございました。


ーーー最後にQ5がフローレンスという団体の本質、ネガティブな意味での影絵を映し出していると思えないだろうか。「国境なき医師団」に寄付したかどうかを知って駒崎はなんの参考にしたいのだろうか。寄付集めの「競合」がNPO、NGO関係で激しいことは駒崎は繰り返し述べている。

すると「国境なき医師団」、ユニセフ、カタリバ(仁藤夢乃の出身母体)、あしなが育英会は信念が合うかどうかの問題でなく、「金集めのライバル」と認識しているように見える。


最後に、駒崎と仁藤夢乃の共通項について一点、述べる。ほぼそれは、「日本国内の」可哀想な子供や家庭に特化して支援を訴えていることだーーーもちろん、国のことは大切だ。しかしーーー慈善ーーーをうたう団体がマーケティングの「成果」として、国内問題にばかりイシューをセッティングしている様は、グローバル企業よりもグロテスクな肖像に思える。


認定NPO法人、フローレンスの分析(1)「慈善事業家」駒崎弘樹、寄付者アンケートから見るその信念:敵は「あしなが育英会」と「国境なき医師団」


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【音無ほむら】


 

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