野田聖子・元総務大臣が、自身が代表の政治資金管理団体「二十一世紀の会」から令和4年に「水道使用料金」名目で、実父の島稔氏が取締役等を勤めていた「東京三同株式会社」に令和4年に12014円を水道使用料金名目で支払っていたことが、政治資金収支報告書の記載からわかった。
東京三同社株式会社は、現在は業務を行なっていないが、閉鎖前の定款記載の会社の目的を見る限り、その業務は、「不動産の所有、売買、貸借および管理」、「有価証券の所有および売買」「前各号に付帯する一切の事業」「損害保険代理業」であって水道供給業務は行なっていなかった。またその所有していた不動産は、一般的な不動産業者や金融機関の使用する機能で調べたところ、多くても土地7件、建物2件であって業務範囲はそう手広いものではなく、親族企業を通した政治団体からの資金還流を疑わせる状況となっている。
なおこの他にも、野田聖子氏側から「東京三同株式会社」へは事務所借料損料名目で同年に50万円ほどが支出されている。
(政治資金収支報告書リンクより)
なお、「事務所の借料損料」名目での東京三同株式会社への支出は少なくとも令和2年から毎月11万8000円であったが、過去の野田聖子HPを見る限り自身の選挙区である岐阜事務所をこの親族会社所有の土地上にある、「岐阜県岐阜市加納新本町2丁目23番地 三同岐阜ビル」に支払ってキャッシュバックしていたようだ。
(令和2年の「二十一世紀の会」政治資金収支報告書リンクより)
なお興味深いところでは、野田聖子氏と親しい間柄で知られる駒崎弘樹氏が会長を務める特定NPO法人フローレンスが野田市の実父の住んでいた文京区で行っている「子ども宅食コンソーシアム」に加わっている村上財団代表の村上玲氏(村上ファンド創設者、村上世彰氏の子)が令和2年に野田聖子氏側へ100万円の寄付を参加している。
そして翌年、令和3年には村上玲氏が150万円、村上世彰氏が1850万円の合計2000万円を村上ファミリーマネーとして、野田聖子代表の自民党支部に寄付している。
そのほか、政治家としての姿勢に関わる支出としては令和2年〜4年に毎年「インナートリップイデオローグセンターリサーチセンター」へ18万円ずつ、合計で54万の高額な会費を支払っている点も挙げられる。
聞きなれない団体かもしれないがここは「霊友会」という宗教法人の密接関係団体である。なお霊友会は一時期、フランス政府からカルト指定を受けていたことがある。
(霊友会HPより)
また、地元のお付き合いと言えるかもしれないが「岐阜新聞・岐阜放送懇談会」への令和2年に10万、令和3年に6万、令和4年に12万(3年間で合計28万円)の支出にも、(建前上は)権力を監視するべき地元メディアと、政治家との「馴れ合い」的な匂いを感じられる方がおられるだろう。とりわけ、野田聖子氏がテレビ局の電波の許認可権などを握っていた元総務大臣であることからすればなおさらである。
(ちなみに類似例として、高市早苗・元総務大臣は地元紙の奈良新聞系列にHPの業務を委託してお付き合いをしている)。
ちなみに他に気になる支出として「有限会社烹成」へ12000円の会費を2回、払っている。
この住所岐阜県岐阜市八幡町9で検索すると出てくるのは食べログで評価の高い料理店である。野田聖子氏はいつから、料理屋の会員になったのだろうか?
令和2年に139万4342円、令和3年に130万8755円、令和4年になると何故かペースを落として53万5665円の合計322万8762円を3年間で計上していた。これはおよそ地球6.5周分である(令和4年にもう少し頑張れば、地球7周を達成できた)。
(最も走りが好調だった令和2年分の政治資金収支報告書より)
しかし、華僑の多いシンガポール在住の村上世彰氏をパトロンにして、少子化対策になりそうな共同親権へは反対票を投じる野田聖子氏が、「人口減少は国家有事「他国から侵略されている」ことと同じ」としているのはブラックジョークで確信犯だろうか?
なお東京三同株式会社(そのほかにも三同株式会社という社名も確認できる)の「三同」は、日本語であまり使わず、また野田聖子氏と関係の深い男性の、元暴力団員のルーツがある韓国・朝鮮でもなく、中華圏でのボキャブラリーのような語感を受ける。
(中国の検索エンジン「百度」で「三同」を検索した結果をGoogle Chromeの翻訳機能で日本語に直したものの画面)
野田聖子元大臣の政治資金をめぐっては、他にも疑問点が生じており、続報が出次第、加筆する。
【江藤貴紀】
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