自民党とともに政権与党を形成する公明党の支持母体、創価学会がウェブサイト運営に関して、世界的な報道機関ロイター通信を運営するトムソンロイターと契約していることがわかった。
(whoisで調べたところ、創価学会の連絡先アドレスがトムソンロイターのものになっている。また港区愛宕1−3−4という住所と、電話番号はいずれも、トムソンロイターの日本法人の有していたもの。)
連絡先電話番号から調査する限りでは、トムソンロイターがウェブ業務を行っている日本のサイトは創価学会とSGI、シティバンクなど8個限りであり、「なぜ通信社と連立政権の支持母体で実質上日本政治のキャスティングボートを握る宗教団体が、こんな契約を結んでいるのか」という疑問が浮かんでくる。
トムソンロイターは日本国内でドメインのサービスを行っているとされる。ただ、付随する「コンサルティングサービス」がどういった分野のものかは、不明である。また、そもそもドメインについてのサービスは、国内で非常に多くのIT企業が参入しているものの、ロイターのものは検索しても上位に上がってこないため、ますます「なぜ創価学会はロイターと契約したか」が分からなくなってくる。
当然ながらトムソンロイターのブランディ事業は営利企業であり、資金の流れがあると考えるのが自然である。すると世界最大規模の通信社へ日本政府与党の主要支持母体の一つから資金が提供されていたことになる。
このタイアップについては2つの方向性で問題点が出てくる。まずひとつは、金銭的に顧客である創価学会およびそれが擁立する日本の連立政権与党・公明党について、ロイターの報道が影響を受けていなかったかどうかである。
(「ロイター 池田大作」で検索すると非常にポジティブな結果が出てくる。池田氏は言うまでも無く、SGIこと創価学会インターナショナルの会長だが、ダライ・ラマとネルソン・マンデラと並べて書いてあるのを見ると、まるで聖教新聞のような持ち上げぶりである。)
一方でもう一つ、創価学会と与党公明党のルートから、日本政府の各種データが、ロイター社を通じてイギリスその他の第三国に流れる可能性である。ロイターのウェブサイトを見ると提供サービスの中に、独自の情報網から世界各国の法改正などをリサーチできる、とある(最重要項目として、例えばTPPについての交渉姿勢とそのための国内法制準備などは含まれるだろう)。
この情報ソース中に与党公明党が含まれている余地はないのだろうか?あるいは、通信部門での報道姿勢とウェブコンサル部門のバーターについて完全なファイアウォールは働き得る保証はどこにあるのだろうか。筆者には、大手メディアと、実質的に政府与党のボス的な団体が契約しているという状況は余り健全でないものに思える。