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大阪府 森友学園関係の情報公開請求への情報公開請求に対して開示拒否・・・文書の存否応答レベルで不開示の決定

2017年3月15日17時41分
カテゴリ:国内

大阪府 森友学園関係の情報公開請求への情報公開請求に対して開示拒否・・・文書の存否応答レベルで不開示の決定

大阪府が、「瑞穂の國小學院」を開設しようとしていた学校法人森友学園について報道機関などの情報公開請求を対象とした、情報公開請求に対して、情報公開請求がかかったかどうか自体の開示すら森友学園の利益を脅かすものとして、情報公開請求がこれまであったかどうかの存否応答も拒否とする形で開示拒否決定をしていたことが3月13日にわかった。

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この決定通知書の作成日付は3月10日で、開示拒否の理由としては、「これまでに森友学園関係で出された情報公開請求」が、大阪府情報公開条例8条1号でいう「法人等に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められるもの」であって、その文書の存否を答えることだけで当該法人の正当な利益を害するものになるため、同12条に従って、存否応答拒否(あるかないかを答えない形での不開示)対象ということである。


しかし、情報公開請求の内容自体が、情報公開請求の対象外と判断されて開示拒否になるのは極めて異例だ。というのは、情報公開請求自体は行政内部で作成する文書や、またはある種の許認可に関わる議論といった1次的な情報ではなく、開示請求を行うものが興味を持った論点についてかけるものでしかないためである。つまり原則的に大阪府情報公開条例を含む、日本の情報公開制度で、不開示を予定していないものである。


いくつかの自治体、例えば愛知県では毎年の情報公開請求事案一覧を、開示請求なしにウェブ公開している。

http://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/210266.pdf

その他にも、同様にウェブ公開している事例は仙台市などにある他、当該自治体発行の冊子などで従来の請求事例一覧を公開している場合は多くある(東京都の墨田区など)。


米国の例になるとアメリカ原子力規制委員会は、福島事故での情報公開請求について開示請求の内容、開示請求者、開示した文書の全てをウェブで公表しており、当時の事故状況と日米政府の対応・認識について知ることのできる、非常に貴重な資料となっている。


そもそも、情報公開制度がいかに運用されているかの分析においても、情報公開請求の内容自体を公開する必要性は高い。


そして森友学園に関する資料については、①寄付金や職員リストなど同法人から大阪府にしか出していないものがマスコミに流出していること、②その流出文書について(通常は施される)マスキングの類が行われていないことから大阪府による同法人への嫌がらせであるのではないかという旨を、籠池氏が3月12日に行われ、3月13日に掲載された菅野完氏による動画インタビューで述べている。

したがって、③その点を念頭におくと情報公開請求自体への情報公開請求に拒否をすることは、法人の利益を守るためというよりは、大阪府によるリーク隠蔽工作としての効果を持つとみる余地があることを付言する。


なお、本件に関しては維新の党の松井党首(大阪府知事)らの責任問題として追求されている報道もあるところ、本当に守りたいのは森友学園の利益なのか、と突っ込みたくもなる。


3月15日追記:以下の通り、新たに今度は「森友学園関係ですでに開示された文書」を対象に開示請求を本日かけている。すでに開示した文書を他の請求者に対しては不開示にするというのは、本件記事での開示拒否決定と比べてもより明確にロジックとして弱いからである。

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対象文書の特定:「2016年4月から現在までに大阪府へ出された行政文書開示請求書で、開成幼稚園、塚本幼稚園、瑞穂の國小學院、森友学園及びその役員や職員に関する事項を請求対象に含むものへの応答として、大阪府がこれまで開示した文書すべて(開示請求書で、小學院を小学院としたり、小学校とするものの他、蔑称や略称、通称名を記載していた請求への開示文書を含む)」


【江藤貴紀】


 

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