(タイバーツで筆者が、ラオス国境にてSIMカードを購入したし際の様子)
いわゆるスノーデン事件以降、西側世界でも強く意識されるようになってきたネット上のプライバシー。
このうち声紋や顔認証の類については通信上にあげてしまうとどうにもならないですが、それらとまた各種サービス(アマゾンだったりSNSだったりLINEだったり)のアカウントやGPS情報、Wi-Fiの接続先、クレカ等の決済情報を除くとプライバシーの「終着点」、国家機関などによる監視の要諦は端末それ自体とSIMカード(サービス登録時の電話番号)に行き着きます。
例えば英語掲示板のRedditでも争点は(中古で端末は買えることを前提として)SIMカードの取得に尽きます。
(5年前のredditのスレッド。リンクはこちら)
中には他人に旅行者用のSIMカードを買ってもらう、などという話も出てきたりするようですがそれでも他人を介することになる。
じゃあどこか、SIMカードをプライバシーフリーで買える国はないかというとあります。
ずばり、日本から直行便の出ていない東南アジアの内陸国、ラオスです。2024年上旬、ミャンマー国境取材のついでに(同じくタイと国境を接している)ラオスに筆者が実際に入国してSIMカードを購入して確かめてみました。複数箇所でSIMカードを購入しましたが一度も身分証の提示は求められませんでした。
ただこれは悪くすると犯罪組織も、この秘匿性を利用できることにはなります(というか本当に悪い人たちは既に使っていると思いますが)
ちなみにラオスはなぜそんなに監視が緩いかというと戸籍というか出生情報すらろくに管理できておらず、ネットが開通している反面で国民の年すら分からない場合もままあるような状態だからです(これについては「ラオスを知るための60章」を参照のこと)。
つまり一般国民がIDを持ってない場合すらあるので外国人でもパスポートなどのIDなしでシムを買えるわけですね。
ノーログVPNとかよりさらに強めのプライバシー防衛手段にはなりえます。(ただ、ラオスにもどうせSIMカードを入れたりした端末も持っていくことになるでしょうし、あと例えば自国の職場や自宅に戻ったならばGPS情報から誰がその端末を持っているかなど推認されはするのですが)
ただなんとなく、サイバー攻撃をするために隣国が使っていたりはしそうな気がします。
【2月15日12時32分追記】
基本的に(少なくとも日本は)、基地局と通信するとIMEI(端末識別番号)が基地局側に渡るので、完全シークレットにはならないんですよね。
契約者情報のないどこかの誰かがxxxxのIMEI番号の端末で通信してる。
くらいになる。
— テツ@金属製 (@tetsu_GFRA) February 15, 2024
以上のとおりIMEIが匿名化の妨げになっている旨のご指摘があった。これについては、端末も数日ごとに使い捨てのような感じで運用することが考えられる。例えば、中古の2万円の端末を3日ごとに取り替えるとして、ざっと年間240万ぐらいが必要経費だろうか。
【音無ほむら】