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安倍晋三・元夫人「安倍昭恵」の分析(1)晋和会トップという見逃される素顔・・・年間2億6300万円の集金力の「相続」と、後継指名の「人事」権

2024年6月24日11時00分
カテゴリ:国内

安倍晋三・元夫人「安倍昭恵」の分析(1)晋和会トップという見逃される素顔・・・年間2億6300万円の集金力の「相続」と、後継指名の「人事」権

本サイトでは「一般社団法人Colabo」の分析を連載としてこれまでに50回以上にわたって掲載してきた。ところで、その代表者仁藤夢乃氏を2014年夏に政策コンテストで表彰して権力の「お墨付き」を与えたのは、時の総理夫人、安倍昭恵氏だった。





彼女については突飛な言動を行うなど「奇人」のような面が強調されることが多い。ただ「能ある鷹は爪を隠す」という。実際、戦国武将の織田信長が「うつけもの」扱いをあえて受けていた逸話は有名である。もしそうなら、現代の「変人」が実は極めて有能で野心家である可能性はないだろうか?


本連載では、入手可能な範囲の情報から日本史上最長のファーストレディー「安倍昭恵」を再検討する。その手始めとして、「政治とカネ」の切り口から今回は入りたい。まず結論を言うと、安倍晋三元総理の政治資金管理団体であった晋和会の代表者は今に至るまで安倍昭恵である(この点についてはすでに指摘がある)。



最新の令和5年公開・総務省政治資金収支報告書リンクより。安倍晋三氏の死後、政治資金管理団体ではなく「その他の政治団体」となっている)


そして安倍氏の生前と、その後の関係団体からの資金移動でその資金力は潤沢だ(公開されている最新年度の政治資金収支報告書が令和4年、安倍氏の銃撃事件の年のため生前の収入と支出が入ることは留意されたい)。雑に並べると、岸田文雄氏、菅義偉氏ら総理大臣クラスの政治家を「複数名」合わせたぐらいの水準である。具体的には1年間の収入額で2億6300万円だ(もっとも安倍晋三氏の生前に行われたパーティ収入、寄付などを含む。また他の自民党系政治家は党本部からの「政策活動費」名目での支出を受けている点は留意されたい)。


比較対象を並べてみると、政治資金管理団体では、岸田文雄氏の新政治研究会が1億5700万円、菅義偉氏の横浜政経懇話会が3900万円、麻生太郎氏の素淮会が8700万円などで、野党系の大物では小沢一郎氏の陸山会が6500万円だ。なお国政政党で、(失礼ながら)現在一番、集金能力の低い社会民主党本部が5億700万円の収入だったため、その半分超、つまり「ミニ政党0.5個分以上」の団体を、安倍昭恵氏は安倍晋三氏から「相続」したことになる。



(筆者作成)


さらに、人的にも安倍昭恵氏は安倍晋三氏の後継を「指名」している。すなわち吉田真次・下関市議会議員へ安倍晋三氏の選挙区の補欠選挙立候補に「打診」を行い吉田氏は当然の如く当選。キングメーカーとまでは言わないでも「国会議員の指名権」ぐらいは有していたと言える。


そもそも論になるが、安倍晋三氏は好き好んで、政治家家系の安倍家に生まれたわけではない。出自は本人の意思ではいかんともしがたい。だが、昭恵氏が岸・安倍ラインの安倍晋三氏と結婚したのは紛れもない「本人の意思」である。世間では、「政治家の配偶者になるのは大変だから、政治家家系との結婚だけはやめた方がいい」という言い草がされることがある。恋愛感情があったにしても、昭恵氏は自らの意向で総理・政治家の家系の一員、「安倍ファミリー」となったわけである。

最後に再び、晋和会の政治資金収支報告書を引いてこの連載の第1回を締めくくりたい。あくまで旅費等の名目であるが、昭恵氏の相続後も晋和会の支出は続いている。



つまり安倍晋三氏の永眠後も、晋和会は団体としてまだ「生きて」いる。


【江藤貴紀】


 

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