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DMM英会話、受講者のTOEICテストが258点から331点へ上昇したと、論理上あり得ない広告 景品表示法違反の疑い

2015年6月23日08時05分
カテゴリ:学術

DMM英会話、受講者のTOEICテストが258点から331点へ上昇したと、論理上あり得ない広告 景品表示法違反の疑い





大手IT企業、DMMの運営するネット英会話のサービスが、受講生の体験談として、TOIECテストの点数が258点から331点に73点UPしたというあり得ない話を載せていたことが分かった。景品表示法の禁じる優良誤認表示に該当していた可能性がある。


この問題は、インターネット上の匿名ユーザーらの指摘で判明したもの。


まず、TOIECというのは、990点を満点としているというテストで、5点刻みで点数が算出されるため、①DMM英会話をこの亜細亜さんという42歳のパート女性が受講前に取ったという258点も、②受講後に取ったという331点も、③また73点が上昇するといういずれの現象も論理的にあり得ない

 

TOEIC公式ウェブサイトより 受験者数の推移。最新年度で約2400万人が受験している)


そして、この点はおかしいのではないかと、DMM社に問い合わせたところ、同社は似たようなテストのCASECというテストをTOEICスコアに換算したものを誤って掲載したものであるという回答(DMM担当者によれば、CASECテストは試験時間40分のテストであり、受験後、TOEIC・TOEFLのスコア目安、英検級の目安が表示されるという)であった。


しかしながら、この返答には解せない部分が残る。まず、キャセックのほうの受験者数は昨年で16万人に過ぎない。つまり、CASEC(筆者はこの件が問題になって初めて存在を知った)の受験者数は0.66%に過ぎず、この2つのテストのスコアを取り違える事は、非常にあり得なさそうである。



(こちらはCASECウェブサイトより)


DMMは現在、広告をこの亜細亜さんを削除したものに差し替えているが、DMMの返答には解せない部分があった。というのは、先述の通りCASECは、受験後にTOEICテストの目安点が表示される、と説明したにも関わらず、同じ回答文メール(後掲)において①いったんこの広告は削除するが、②CASECのTOEICテスト換算点を現在、確認しておりこの点数の確認が出来しだい、点数を差し替える。③ただしTOEICテストへの換算が難しい場合は、表記を 「TOEIC SCORE」から「CASEC SCORE」へ変更する、と述べている。


そもそも、TOEICテストの目安が出るテストであると言いながら、同時にTOEICテストへの換算が難しい場合は表記を変えるというのは、理屈としてあり得ないことを言っているのではないだろうか。


これらを総合すると、この広告は点数アップをした事例らしいものを適当に載せたんじゃないか、と疑われても仕方ないと思われる。


ここで、不当景品類及び不当表示防止法は4条1号で、サービスの内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良と宣伝などすることを、優良誤認表示として、禁じている(消費者庁ウェブサイト参照)。


そして優良誤認表示をした事業者に対しては、6条などにより、「措置命令」を消費者庁長官などが下すことが出来て、ここでは、優良誤認表示の防止のみならず、事後の防止策の命令までが可能である。(つまり、再発防止の命令は、優良誤認表示を事業者が訂正した後、例えば今回の問題ではDMMが広告を撤回してからでも出せる)。


いちおうDMMの説明は「ウッカリ間違えた」であるが、DMMがウッカリなのかわざとかどうかと優良誤認表示の問題は、関係ない。というのは、広告を見た人が誤解してしまった場合には、事業者の意図に関わらず、消費者保護が図られないことになるからである(ウッカリ間違えるような事業者もまた、指導が必要ということである)。そして、この命令に違反した場合は2年以下の懲役又は300万円以下の罰金の刑事罰がついてくる。


従って、DMMは場合によっては依然、措置命令の対象となることになるが、夏井高人氏が以前指摘していたところによれば、景品表示法は直罰規定(「違法行為があった場合に、行政指導や行政命令を出して自主的な改善を促すといった過程を経ることなく、即時に罰則を適用することを定めた規定」というコトバンクの解説が分かり易い)でなく、さらに運用として他の刑罰では無く景品表示法が運用されることがために、罰則としての効果が薄くなっているようにも思われる(その分、不当な広告を出すことに対するサンクションが少なくなる、という問題点がある)。


【江藤貴紀】


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